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ベランダ喫煙の法的リスクと判例 - 賃貸契約前に確認する項目 2026

ルール賃貸法律

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モットスイタイ編集部

執筆:モットスイタイ編集部

喫煙所検索『モットスイタイ』運営

日本全国の喫煙所情報を 2025 年から運営し、ユーザー投稿と公的データを照合して全国の喫煙所マップを公開しています。改正健康増進法・路上喫煙禁止条例・各自治体ルールの最新情報を継続的に確認しています。

公開日:
2026-05-12
最終レビュー:
2026-05-12
目次
  1. 1.はじめに:この記事の位置づけと注意事項
  2. 2.「ホタル族」とは何か
  3. 3.ベランダは「共用部分」である:法律上の基本
  4. 4.判例:名古屋地裁 平成24年12月13日判決
  5. 5.賃貸住宅における追加の論点
  6. 6.火災リスクも見過ごせない
  7. 7.賃貸契約前に確認する7項目(チェックリスト)
  8. 8.既にトラブルになっている場合の対応手順
  9. 9.喫煙者ができる現実的な選択肢
  10. 10.モットスイタイで近隣の喫煙所を探す
  11. 11.注意事項:本記事は法的助言ではありません

この記事の要点

マンションのベランダ(バルコニー)は専有部分に隣接しているものの、区分所有法上は「共用部分」に分類される。管理規約に「火気厳禁」「喫煙禁止」と明記されている場合はそれだけで違反となる。明記されていない場合でも、名古屋地裁平成24年12月13日判決は「ベランダ喫煙によって他の居住者に著しい不利益を与えていることを知りながら、再三の注意にもかかわらず喫煙を続け、防止措置をとらない」ケースで慰謝料5万円の支払いを命じ、ベランダ喫煙が不法行為を構成し得ることを示した。賃貸ではさらに退去時の原状回復義務(クロスのヤニ汚れ・臭気除去)が借主負担となるのが一般的で、国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」でも喫煙によるヤニ汚れ・臭気は通常損耗を超えるとされている。引っ越し前に「管理規約・使用細則・賃貸借契約書・重要事項説明書」の4点で喫煙条項を確認し、不明な場合は宅建士・弁護士に必ず相談すること。

はじめに:この記事の位置づけと注意事項

本記事は、賃貸・分譲マンション住戸のベランダ(バルコニー)における喫煙行為に関する一般的な法律論点・裁判例・実務上の対応の入り口を、公開情報と判決例を出典付きで整理した解説記事です。本記事の執筆者は弁護士ではなく、本記事は具体的な紛争解決のための法的助言(リーガルアドバイス)ではありません。個別の事案(規約・契約書・トラブル状況)に対する最終的な法解釈・対応方針については、必ず弁護士・宅地建物取引士・マンション管理士などの有資格者にご相談ください。

また、本記事はモットスイタイ(喫煙所マップサービス)が公開している情報サイトの一部です。喫煙者の方には「決められた喫煙所での喫煙」を推奨し、近隣・家族・建物への影響を最小化することを目的としています。タバコ製品の購入を促す内容や、特定銘柄の比較・推奨は一切行いません。

「ホタル族」とは何か

「ホタル族」とは、自宅の室内ではなく、ベランダ(バルコニー)に出てタバコを吸う喫煙者を指す俗称です。暗いベランダで火種だけが見える様子が、ホタルの光に似ていることから名付けられました。室内で吸うと壁紙や家具に臭いが付着する、同居家族(特に子どもや非喫煙者)の受動喫煙が気になる、という理由でベランダを選ぶ喫煙者が多いと言われています(参考: 株式会社三友社「ホタル族とは?」https://www.sanyu-sya.com/blog/entry-418375/、長谷工くらしのコラム「ホタル族とは?」https://www.haseko-sumai.com/kurashi/archive/detail_409.html、ハウスコム不動産用語集「ホタル族」https://www.housecom.jp/words/detail_284/)。

一見すると「室内よりはマシ」「自分の専有部分内なので問題ない」と思われがちですが、ベランダから立ち上る煙は、上階の窓・洗濯物・布団・エアコン室外機の吸気口を通じて、隣接住戸へ流入することが多く、近隣トラブルの代表例として全国の管理組合・賃貸オーナー・自治体相談窓口で長年問題視されてきました。

こうした被害を訴える住民が結成したのが「近隣住宅受動喫煙被害者の会」(通称:ホタル族被害者の会、2017 年 5 月結成総会)です。同会は日本弁護士連合会への人権救済申立てや、厚生労働省・国土交通省・自治体に対する「ベランダ喫煙禁止条例」「ベランダ喫煙禁止法」の制定要望などを行ってきたことが報じられています(参考: 株式会社東建コーポレーション「『ホタル族』による受動喫煙防止の動き。被害者の会が発足」https://www.token.co.jp/estate/column/lease-business-news/36/、弁護士法人プロテクトスタンス「『ホタル族被害者の会』が結成」https://protectstance.com/column/20170522/tips018)。

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ベランダは「共用部分」である:法律上の基本

マンション(区分所有建物)のベランダ・バルコニーは、見た目には個々の住戸に「くっついた」専用スペースのように見えますが、区分所有法および国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」の解釈上は、建物の「共用部分」に分類されます。共用部分のうち、特定の区分所有者だけが日常的に使用できる「専用使用権」が設定されているのがバルコニーであり、所有しているわけでも、自由に何をしてもよいわけでもありません(参考: 大阪弁護士会「ベランダでの喫煙 法的に止められる?」https://www.osakaben.or.jp/matter/view.php?id=165、公益財団法人不動産流通推進センター「区分所有者が、自室のベランダで喫煙することは、他の居住者に対する不法行為に該当するか」https://www.retpc.jp/archives/21708/)。

このため、管理規約・使用細則に「共用部分(バルコニー・廊下・エントランス・階段・屋上等)での火気の使用禁止」「喫煙禁止」と明記されている場合、ベランダでの喫煙はその時点で規約違反となります。違反者には管理組合から行為の差止め請求、勧告、警告書送付、最終的には区分所有法に基づく差止訴訟(共用部分の用法違反)といった対応が取られる可能性があります。

  • ベランダ・バルコニーは「共用部分+専用使用権」が原則(区分所有法・標準管理規約)。
  • 「自分の所有物だから自由」という認識は、法律上の建物区分とずれている。
  • 避難経路としての機能(隔て板の蹴破り、避難ハッチ等)があるため、火気・物品の取扱いは厳格に扱われる。
  • 管理規約に「喫煙禁止」が明記されていれば、それだけで禁止される。
  • 明記されていない場合でも、後述する不法行為責任が問われる余地がある。

判例:名古屋地裁 平成24年12月13日判決

ベランダ喫煙が「不法行為」を構成し得ることを正面から認めた代表的な裁判例が、名古屋地方裁判所 平成24年(2012年)12月13日判決です。事案の概要は、分譲マンションの上階に住む70歳代の女性が、階下に住む60歳代の男性に対し、ベランダでの喫煙によって体調を悪化させられたとして、約150万円の損害賠償を求めたものです(参考: 大阪市マンション管理支援機構「ベランダでの喫煙に対し、損害賠償命令が出された事例/名古屋地方裁判所 平成24年12月13日」https://www.osakacity-mansion.jp/hanrei/hanrei-11、弁護士 谷直樹「名古屋地裁平成24年12月13日判決,マンションベランダからの受動喫煙被害で喫煙者に賠償を命じる」https://medicallaw.exblog.jp/19810179/)。

判決は、「自己の所有物内であっても、いかなる行為も許されるというものではなく、行為が第三者に著しい不利益を及ぼす場合には、制限が加えられるのはやむを得ない」と述べたうえで、(1) 他の居住者に著しい不利益を与えていることを知りながら、(2) 再三の注意にもかかわらず喫煙を継続し、(3) 喫煙行為を防止する措置をとらないといった事情がある場合には、ベランダ喫煙が不法行為を構成し得ると判断しました。さらに重要なのは、これらの判断は「使用細則がベランダでの喫煙を禁じていない場合でも同様だ」と明記された点です。

本件で裁判所が認定した不法行為期間は2011年5月から同年9月19日までの約4か月間で、認められた慰謝料額は5万円でした。請求額150万円のうち実際の認容額は限定的でしたが、「管理規約に書いていなくても、ベランダ喫煙は不法行為になり得る」という法理が裁判所判断として示されたインパクトは大きく、その後の弁護士コラム・管理組合実務・標準管理規約の解説でも繰り返し参照される基本判例として定着しています(参考: 全日本不動産協会「ベランダでの喫煙が不法行為になる場合」https://www.zennichi.or.jp/law_faq/、日本経済新聞「マンション隣人がベランダで喫煙 不法行為に該当することも 弁護士 志賀剛一さん」https://www.nikkei.com/article/DGKKZO81956220Z00C24A7KNTP00/、角谷法律事務所「ベランダ喫煙で慰謝料支払義務を負うことも」https://www.sumitani-lawoffice.jp/posts/post37.html)。

逆に言えば、この判決から導かれる実務上の含意は次の通りです。ベランダ喫煙それ自体がただちに違法というわけではなく、(a) 近隣からの具体的・繰り返しの被害申告と注意がある、(b) それを認識しながら継続している、(c) 換気扇下に移動する・本数を減らす・時間帯を変える等の防止努力をしていない、という事情が重なるほど、不法行為責任が問われやすくなる、ということです。

賃貸住宅における追加の論点

分譲マンションは「管理規約」と「使用細則」、賃貸住宅は「賃貸借契約書」「重要事項説明書」「入居のしおり」が法律関係の中心となります。賃貸の場合、所有者であるオーナー(貸主)と入居者(借主)の二者間契約のため、ベランダ・室内ともに「契約書・特約」に何が書かれているかが決定的に重要です(参考: スマイティ賃貸経営「【大家さん向け】賃貸物件でのベランダ喫煙のトラブル解決法は?全館禁煙の検討も含めて解説します」https://owners.sumaity.com/cat_management/press_794/、健美家「オーナー泣かせの『ベランダ喫煙で出火、建物火災』。契約書の一文で防ぐ、『ホタル族』トラブル」https://www.kenbiya.com/ar/ns/jiji/etc/3402.html)。

近年は「全館禁煙」「室内・ベランダともに喫煙禁止」と契約書に明記する物件が増えており、加熱式タバコ(IQOS / glo / Ploom 等)についても紙巻きタバコと同等に扱われるケースが一般的です。違反が確認された場合は、契約解除事由になることもあり、深刻なケースでは退去を求められます。

退去時の原状回復については、国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(平成23年8月)および令和5年3月の参考資料に示されている考え方が事実上の基準として広く使われています。同ガイドラインの解釈・運用に関する複数の解説で、喫煙によるクロスのヤニ汚れ・臭気・天井や壁の変色は「通常の使用による損耗を超える」ものとされ、原則として借主負担とされる旨が紹介されています(参考: 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン に関する参考資料 令和5年3月」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001611293.pdf、国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)平成23年8月」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/honbun2.pdf)。

ただし、クロスの耐用年数は税法上6年とされており、入居期間に応じた減価償却が考慮されます。長期入居の場合、新品代金の全額負担にはならないのが原則です。実際の負担額・範囲は、退去立会い時の写真・見積書・契約特約の内容によって変わるため、退去前後のやり取りは記録(写真・メール・書面)を必ず残してください。

火災リスクも見過ごせない

ベランダ喫煙は受動喫煙だけでなく、火災リスクの観点でも問題視されています。総務省消防庁の事務連絡を引用した報道によると、タバコが原因となった建物火災のうち、ベランダ・バルコニーが出火場所となった割合は、平成17年(2005年)の4.6%から平成26年(2014年)には11.5%へと増加したとされています(参考: 健美家「オーナー泣かせの『ベランダ喫煙で出火、建物火災』。契約書の一文で防ぐ、『ホタル族』トラブル」https://www.kenbiya.com/ar/ns/jiji/etc/3402.html)。

吸い殻の不始末、強風による火種の飛散、置きっぱなしの携帯灰皿・段ボールへの引火など、原因はさまざまですが、いずれも他人の住戸・人命にも関わる重大な結果を招きうる行為です。失火責任法(失火ノ責任ニ関スル法律)のもとでも、「重大な過失」が認定されると損害賠償責任を免れないとされており、ベランダ喫煙からの出火は重過失と評価される余地があります(最終的な法解釈は弁護士へご相談ください)。

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賃貸契約前に確認する7項目(チェックリスト)

これから引っ越しを検討している喫煙者は、契約書にサインする前に、以下の7項目を不動産仲介会社・オーナーに必ず確認してください。1つでも不明確な点があれば、必ず書面で回答を求め、後日のトラブルを避けるためのエビデンスとして保存しておくことをおすすめします。

  • 1. 室内喫煙の可否:「禁煙物件」「喫煙可」「加熱式タバコのみ可」など、明確な記載があるか。口頭ではなく重要事項説明書・賃貸借契約書の条文で確認する。
  • 2. ベランダ(共用部)での喫煙の可否:分譲マンションを賃貸している場合、上位ルールである管理規約・使用細則も併せて閲覧できるか確認する。
  • 3. 加熱式タバコの扱い:紙巻きタバコと同じ扱いか、別扱いか。一般に同等扱いが増えている。
  • 4. 原状回復に関する特約:ヤニ汚れ・臭気除去に関するクリーニング費・クロス張替え費の取扱い。国土交通省ガイドラインとの整合性を確認する。
  • 5. 違反時の取扱い:契約解除事由か、是正勧告のみか。違反した際の段階的な手続きが書面化されているか。
  • 6. 共用部の喫煙所有無:エントランス外・駐輪場の一角等に物件側が指定喫煙場所を設けているか。設けていない場合、近隣の公的喫煙所までの距離を事前に把握する。
  • 7. 既存住民からの苦情履歴:可能であれば、過去にベランダ喫煙苦情・火災事案があった物件かどうか、宅建士に確認する。回答義務はないが、誠実なオーナー・仲介会社であれば共有してくれる場合がある。

特に「禁煙物件」と表示されている物件は、契約上の禁煙条項が室内・ベランダ・共用部のどこまで適用されるかを必ず再確認してください。「室内のみ」と読める条項と「敷地内すべて」と読める条項では運用が大きく異なります。

既にトラブルになっている場合の対応手順

近隣からの苦情を受けている、あるいは管理組合・オーナーから注意を受けている場合、感情的な対応は事態を悪化させるだけです。複数の弁護士コラム・管理組合実務解説では、おおむね以下の手順が推奨されています(参考: ハウスコム「他の住人がベランダでタバコを吸っていて迷惑…どこに言えばいい?喫煙者ができることとは?」https://www.housecom.jp/kurashiate/c10-house/c1l-balcony/9563/、オーナーズ倶楽部「苦情の原因!ベランダ喫煙をやめさせる方法とその法的根拠」https://owners-cb.jp/property_management/643)。

  • ステップ1:当事者同士の直接対決は避ける。怒鳴り合いは録音・録画され民事訴訟で不利な証拠になる。
  • ステップ2:分譲は管理組合・管理会社、賃貸は管理会社・オーナーを必ず経由する。第三者経由の苦情・回答は記録が残り、後の交渉で重要な証拠になる。
  • ステップ3:管理規約・使用細則・賃貸借契約書を改めて読み、自分が依拠できる条文を特定する(喫煙者・苦情提出者の双方)。
  • ステップ4:喫煙者は、注意・要請が文書または書面で出された時点で、その内容を真摯に検討し、(a) 喫煙場所の変更(室内・近隣の公的喫煙所への移動)、(b) 喫煙本数の削減、(c) 換気方法の変更などの「防止措置」を取り、その記録を残す。前述の名古屋地裁判決の判断要素のうち、「防止措置をとらなかった」点が重視されるため、防止努力の事実は法的にも重要。
  • ステップ5:解決しない場合、自治体の生活相談窓口、無料法律相談、弁護士会の市民法律相談、マンション管理士会の相談窓口など、有資格者へ早めに相談する。
  • ステップ6:訴訟・調停は最終手段。慰謝料の認容額は本件のように高額にならないことが多い一方、心理的・時間的コストは大きい。和解的解決(喫煙場所の変更・時間帯の調整・契約終了)を優先するのが現実的。

喫煙者ができる現実的な選択肢

本記事はタバコ製品の購入や特定銘柄の利用を推奨するものではなく、また「室内喫煙であれば誰にも迷惑をかけない」「加熱式なら問題ない」とも主張しません。ただし、ベランダ喫煙のリスクを下げる現実的な選択肢として、次のような行動が紹介されることが多いです。各人の家庭環境・健康状態・住環境に応じて、ご自身で判断してください。

  • 勤務先・最寄り駅・自宅近隣の「公的な指定喫煙所」を活用し、自宅では極力吸わない時間帯を作る。
  • 室内で吸う場合は、家族との合意のうえ、換気扇直下・空気清浄機併用・小型喫煙ブースなどで臭気・煙を最小化する。
  • 加熱式タバコでも、煙(蒸気)と臭いはゼロにはならないため、近隣・同居家族への配慮は紙巻きと同等に必要。
  • 禁煙を希望する場合は、医療機関での禁煙外来や保険適用の禁煙治療プログラムなど、医学的に確立された方法を医師と相談する(本記事は健康効果を一切主張しない)。

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ベランダ喫煙のトラブルを根本から避ける一番の方法は、自宅外の指定喫煙所を日常的に活用することです。モットスイタイは、日本全国の指定喫煙所をマップとエリアから無料で検索できるサービスです。トップページのマップから現在地周辺の喫煙所を確認できるほか、エリア検索で都道府県・市区町村を絞り込み、通勤経路や引っ越し先候補エリアの喫煙所事情を事前に調査することもできます。日本の喫煙ルール全般の基本を押さえたい方は、日本の喫煙所事情とマナー完全ガイドもあわせてご参照ください。

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注意事項:本記事は法的助言ではありません

繰り返しになりますが、本記事は公開されている裁判例・行政ガイドライン・各種解説情報を整理した一般的な解説記事であり、個別の紛争・契約に対する法的助言ではありません。具体的な事案(規約・契約書の解釈、損害賠償請求の可否、退去・原状回復費用の妥当性など)については、必ず弁護士・宅地建物取引士・マンション管理士などの有資格者にご相談ください。本記事の情報を利用したことによって生じたいかなる損害についても、運営は責任を負いません。

本記事は2026年5月12日時点で公開されている情報をもとに作成しています。法令改正・新規判例・ガイドライン更新などにより内容が変わる可能性があるため、最終的な判断時には最新の情報を必ず確認してください。判決年月日・事件番号などの記載に誤りを発見された場合は、お問い合わせフォームよりお知らせいただけると幸いです。

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よくある質問

Q.管理規約に「ベランダ喫煙禁止」と書いていなければ、自由に吸ってよいのですか?

A.いいえ。名古屋地裁平成24年12月13日判決は、使用細則がベランダ喫煙を禁じていない場合でも、他の居住者に著しい不利益を与えていることを知りながら再三の注意にもかかわらず喫煙を継続し、防止措置をとらない場合には、ベランダ喫煙が不法行為を構成し得ると判断しました(出典: 大阪市マンション管理支援機構 https://www.osakacity-mansion.jp/hanrei/hanrei-11)。「規約に書いていない=自由」という認識は誤りです。

Q.加熱式タバコ(IQOS、glo、Ploom)はベランダで吸っても問題ありませんか?

A.管理規約・賃貸借契約書の条文の書き方によります。「タバコ」「喫煙」と書かれている条項は、近年の実務解釈・契約書フォーマットでは加熱式タバコも含むものとして扱われるのが一般的です。煙・蒸気・臭いが完全にゼロというわけではないため、紙巻きタバコと同等の配慮が必要というのが多くの弁護士・管理組合の見解です。最終的な解釈は契約書の文言と弁護士の判断に依存します。

Q.賃貸物件で室内喫煙していた場合、退去時にどのくらい原状回復費を請求されますか?

A.国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、喫煙によるクロスのヤニ汚れ・臭気は「通常の使用による損耗を超える」ものとされ、原則として借主負担と整理されています。ただし、クロスの耐用年数は税法上6年とされており、入居期間に応じた減価償却が考慮されます。実際の金額は、入居期間・部屋の広さ・特約の内容・退去立会いの記録によって大きく変わります(出典: 国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001611293.pdf)。

Q.近隣のベランダ喫煙が迷惑です。直接苦情を言いに行ってもよいですか?

A.一般に弁護士・管理会社・自治体相談窓口は、当事者同士の直接対決を避けることを推奨しています。怒鳴り合いやドアの叩き合いは録音・録画されて後日の交渉で不利な証拠になるおそれがあります。分譲は管理組合・管理会社、賃貸は管理会社・オーナーを必ず経由してください。第三者経由の苦情記録は、その後の交渉・訴訟になった場合の重要な証拠にもなります。

Q.ベランダ喫煙で慰謝料が認められた場合、いくらくらい支払うことになりますか?

A.名古屋地裁平成24年12月13日判決の事案では、約4か月間の不法行為期間に対し慰謝料5万円が認められました(請求額は150万円)。慰謝料額は、被害の継続期間・健康被害の有無・注意に対する対応・防止措置の有無など、個別事情によって大きく変わるため、本判決額が「相場」というわけではありません。詳細な見通しは弁護士にご相談ください。

Q.引っ越し時、「喫煙者OK」「全館禁煙」など、どこを見れば物件の方針が分かりますか?

A.不動産情報サイトの物件詳細ページに「喫煙:可/不可」「全館禁煙」等の表記がある場合がありますが、最終的には重要事項説明書・賃貸借契約書の条文がすべてです。口頭の「大丈夫ですよ」では契約上の根拠にならないため、必ず書面で確認してください。分譲マンションを賃貸している物件は、上位ルールとなる管理規約・使用細則も併せて閲覧できるか仲介会社に求めると安心です。

Q.ベランダで吸わなくても、室内で吸えば誰にも迷惑をかけないと考えてよいですか?

A.本記事は健康影響について言及しませんが、同居家族への受動喫煙、退去時の原状回復費、火災リスクは依然として存在します。また、共用部分の換気ダクトを通じて隣戸へ煙・臭いが流れる構造の集合住宅もあります。「室内なら問題ない」と一律には言えないため、家族との合意・換気方法・近隣構造をふまえて個別に判断してください。

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