日本とベトナムのたばこ持ち込みルール【2026】ベトナムは電子・加熱式たばこが全面禁止
目次
はじめに:本記事の前提と免責
本記事は、財務省税関の海外旅行者向け案内(https://www.customs.go.jp/kaigairyoko/menzei.htm )、厚生労働省「医薬品等輸入手続質疑応答集(Q&A)」(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc1462&dataType=1&pageNo=2 )、およびベトナム側の規制についてはベトナム通信社(VNA)の政策解説を一次的な参照先として、2026 年 8 月時点で公表されている内容を整理したものです。個別の携帯品について通関の可否を判断するものではなく、法的助言でもありません。ベトナム側の罰則の細目や免税数量については、本記事執筆時点でベトナム政府の一次資料から数値まで確認できていないため、具体的な金額を記載していません。渡航前には必ずベトナム税関(https://www.customs.gov.vn/ )およびベトナム政府の公式情報をご確認ください。本記事は喫煙を推奨するものではありません。また、禁止されている物品を持ち込む方法や申告を避ける方法を案内するものでもありません。
決議 173/2024/QH15 が禁止していること
ベトナム国会は 2024 年 11 月 30 日、第 15 期第 8 回会期の質疑に関する決議として 173/2024/QH15 を採択しました。ベトナム通信社の解説によると、この決議で国会は、電子たばこ・加熱式たばこ、および健康に有害なガス・依存性物質について、2025 年から次の行為を禁止することで一致しています(出典: https://chinhsachcuocsong.vnanet.vn/tu-nam-2025-viet-nam-cam-toan-dien-thuoc-la-dien-tu-va-nung-nong/53419.html )。
- 生産(sản xuất)
- 売買・事業としての取扱い(kinh doanh)
- 輸入(nhập khẩu)
- 保管・蔵置(chứa chấp)
- 運搬(vận chuyển)
- 使用(sử dụng)
同解説では、これがベトナム国会として電子たばこ・加熱式たばこに包括的な禁止を決議した初めての文書であり、各行政機関が規定を整備して全国で執行するための基礎になると位置づけられています。あわせて、禁制品の取引・運搬については刑法 190 条・191 条の規定が挙げられ、「使用」に対する行政罰の細目については保健省が政令 117/2020/NĐ-CP の改正案を検討していると説明されています。罰則の具体的な内容は整備が進められている段階であるため、本記事では金額を記載していません。最新の取り扱いはベトナム当局の公式情報でご確認ください。
「使用」まで禁止されているという意味
多くの国の規制は、輸入・販売といった「物の流通」を対象にします。ベトナムの決議が特徴的なのは、そこに「使用」が明示的に含まれている点です。つまり、どうやって国内に入ったかにかかわらず、ベトナム国内で電子たばこ・加熱式たばこを使う行為そのものが禁止の対象とされている、という整理になります。
この点は、旅行者にとって実務上の意味が大きい部分です。「スーツケースに入れておくだけ」「ホテルの部屋で使うだけ」といった区別は、この決議の文言のうえでは持ち出しにくいことになります。保管(chứa chấp)と運搬(vận chuyển)も禁止行為として列挙されているためです。加熱式たばこは日本では合法に販売されている製品ですが、ベトナムでは規制の枠組みがまったく異なる、と理解しておく必要があります。
日本で買った IQOS・VAPE はベトナムへ持ち帰れない
国境をまたぐときにもっとも誤解されやすいのが、「出発国で合法に販売されている=到着国でも持ち込める」という思い込みです。空港の免税店で購入できたかどうかも関係ありません。持ち込みの可否を決めるのは、到着する国の法令だけです。日本の家電量販店やコンビニで IQOS・glo・Ploom を購入できたという事実は、ベトナムでの取り扱いに一切影響しません。
本記事は、規制されている物品を持ち込む方法を案内するものではありません。唯一の確実な対応は、日本を出発する前の荷造りの段階で、電子たばこ・加熱式たばこのデバイス、スティック、リキッド、交換用ポッドをベトナム行きの荷物に入れないという判断をしておくことです。渡航先で処分に困る事態を避けるためにも、購入の段階で「持ち帰れない前提」で考えておくのが現実的です。
日本へ入国するときのたばこの免税範囲
ベトナムから日本へ入国する場合、あるいは日本人がベトナムから帰国する場合、日本側では税関が案内する免税範囲が適用されます。免税範囲は「税金がかからない数量」であって「持ち込み禁止の線」ではありません。超える分は、申告して所定の税を納めれば持ち込めます。申告しないまま超過分を持ち込むことが問題になります。
- 紙巻たばこ:200 本
- 葉巻たばこ:50 本
- 加熱式たばこ:個装等 10 個(税関の英語案内では IQOS 200 本、glo 200 本、Ploom TECH 50 カプセルが例示されています)
- その他のたばこ:250g
- 複数の種類をあわせて持ち込む場合:合計の免税範囲は 250g(出典: 税関 https://www.customs.go.jp/english/c-answer_e/keitaibetsuso/7105_e.htm )
- 20 歳未満:たばこの免税範囲は適用されません
数量は改定されることがあるため、渡航のたびに税関公式サイト(https://www.customs.go.jp/kaigairyoko/menzei.htm )で最新の免税範囲をご確認ください。加熱式たばこは「本数」ではなく「個装等の数」で数える点も、日本側の特徴として押さえておくと計算を間違えにくくなります。
日本ではニコチン入りリキッドが医薬品として扱われる
日本側でもう一つ押さえておきたいのが、ニコチンを含有する電子たばこ用のカートリッジ・リキッドの扱いです。厚生労働省の「医薬品等輸入手続質疑応答集(Q&A)」では、これらは「たばこ」ではなく医薬品に該当するとされています。個人輸入として税関限りの確認で通関できるのは 1 か月分までとされ、リキッドの場合は 120ml が目安として示されています。これを超える場合は薬監証明(輸入確認証)の取得が必要とされ、霧化装置は医療機器に該当し 1 個(スペアが必要な場合はさらに 1 個)までとされています。個人輸入したものは輸入者本人の使用に限られ、販売・譲渡は認められていません(出典: 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc1462&dataType=1&pageNo=2 )。
つまり日本側は「医薬品として数量を制限したうえで個人輸入を認める」制度、ベトナム側は「使用まで含めて禁止する」制度であり、方向性が正反対です。日本入国側のルールをより詳しく知りたい場合は 日本入国時のたばこ免税範囲の総合ガイド、日本国内での VAPE の扱いは 日本の VAPE・電子タバコのルール にまとめています。東南アジアを周遊する場合は タイとの往復 もあわせてご確認ください。
ベトナムへ戻るときの紙巻たばこの数量
ベトナム入国時のたばこには免税の数量が定められていますが、本記事では具体的な数値を記載していません。執筆時点でベトナム税関の一次資料から数量を確認できていないためです。日本から土産としてたばこを持ち帰ることを考えている場合は、出発前にベトナム税関(Tổng cục Hải quan https://www.customs.gov.vn/ )の公式情報で、現時点の免税数量と申告の要否を確認してください。
なお、紙巻たばこについて数量の範囲内であっても、電子たばこ・加熱式たばこは前述のとおり禁止対象です。「たばこ製品だから同じ扱い」と考えず、製品の種類ごとに分けて確認する必要があります。
日本滞在中に守るルール
持ち込みの手続とは別に、日本国内では吸える場所が法律で限定されています。改正健康増進法(2020 年 4 月全面施行)により、飲食店・事務所・ホテルなどの第二種施設は屋内が原則禁煙で、喫煙できるのは要件を満たして設けられた喫煙室に限られます。学校・病院・行政機関などの第一種施設は敷地内禁煙です。20 歳未満は、喫煙を目的としない場合であっても喫煙エリアに立ち入ることができません(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/ )。また、多くの自治体が路上喫煙を制限する条例を定めており、区域内で吸うと過料の対象になる場合があります。金額・区域は自治体ごとに異なるため、各自治体の公式情報をご確認ください。
滞在先の最寄りの指定喫煙所は モットスイタイの喫煙所マップ から現在地で検索できます。制度の全体像は 改正健康増進法の解説、日本での基本的なマナーは 喫煙マナーの基本 をご覧ください。
おわりに:製品の種類ごとに、国ごとに確認する
日本とベトナムのあいだでは、紙巻たばこと電子・加熱式たばこで扱いがまったく分かれます。日本では加熱式たばこが合法に流通していますが、ベトナムでは使用まで含めて禁止されています。「たばこ」とひとくくりにせず、製品の種類ごとに、そして国ごとに公式情報を確認する。この一手間が、空港や滞在先でのトラブルを避ける最も確実な方法です。
日本 ⇔ ベトナムの移動でたばこのトラブルを避ける 5 ステップ
出発前の荷造りから到着後の喫煙場所の確認まで、両国の公式情報に沿って進められる順序で整理した手順。
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ステップ 1
電子・加熱式たばこはベトナムへ持って行かない前提で荷造りする
ベトナムでは決議 173/2024/QH15 により、電子たばこ・加熱式たばこの輸入・保管・運搬・使用が禁止されています。デバイス本体・スティック・リキッド・交換用ポッドを含め、荷物に入れないという判断を自宅の荷造り段階で済ませておくのが確実です。
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ステップ 2
ベトナム税関の公式情報で現時点の規制を確認する
ベトナム税関(https://www.customs.gov.vn/ )とベトナム政府の公式ページで、電子・加熱式たばこの取り扱い、紙巻たばこの免税数量、申告の要否を渡航のたびに確認します。罰則の細目は整備が進められている段階です。
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ステップ 3
日本側の免税範囲を税関公式サイトで確認する
税関の海外旅行者向けページ(https://www.customs.go.jp/kaigairyoko/menzei.htm )で、紙巻・葉巻・加熱式・その他の数量と、複数種類を持つ場合の合計の扱いを確認します。加熱式は個装等の数で数えます。
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ステップ 4
ニコチン入りリキッドは日本側で別枠として扱う
日本ではニコチン入りリキッドは医薬品扱いで、税関限りの確認は 1 か月分(120ml)まで、装置は医療機器扱いで 1 個(必要ならスペア 1 個)までとされています。たばこの数量とは別に数えます。
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ステップ 5
日本到着後の喫煙場所を地図で確認しておく
日本は屋内が原則禁煙で、路上喫煙を制限する条例のある自治体も多くあります。空港や滞在先の周辺で指定喫煙所の位置を先に調べておくと、到着後に迷わずに済みます。
よくある質問
Q.日本で買った IQOS をベトナムへ持ち帰れますか?
A.持ち帰ることはできません。ベトナム国会が 2024 年 11 月 30 日に採択した決議 173/2024/QH15 により、2025 年から電子たばこ・加熱式たばこの生産・売買・輸入・保管・運搬・使用が禁止されています(出典: ベトナム通信社 https://chinhsachcuocsong.vnanet.vn/tu-nam-2025-viet-nam-cam-toan-dien-thuoc-la-dien-tu-va-nung-nong/53419.html )。日本で合法に購入できたことは、ベトナムでの取り扱いに影響しません。最新の運用はベトナム税関(https://www.customs.gov.vn/ )でご確認ください。
Q.使うつもりがなく、荷物に入れているだけでも問題になりますか?
A.決議では禁止行為として、輸入や売買に加えて保管(chứa chấp)・運搬(vận chuyển)・使用(sử dụng)も列挙されています。したがって「使わないから大丈夫」という整理は、決議の文言からは導きにくいことになります。個別の事案の判断はベトナム当局が行います。渡航前にベトナム政府の公式情報をご確認ください。
Q.ベトナムから日本へ入国するとき、たばこは何本まで持ち込めますか?
A.税関の案内によると、免税範囲は紙巻たばこ 200 本、葉巻たばこ 50 本、加熱式たばこは個装等 10 個、その他のたばこ 250g です。複数の種類を持つ場合の合計は 250g、20 歳未満は対象外とされています(出典: 税関 https://www.customs.go.jp/kaigairyoko/menzei.htm )。免税範囲を超える分は、申告して所定の税を納めれば持ち込めます。
Q.日本の紙巻たばこをベトナムへ何本まで持ち帰れますか?
A.ベトナム入国時にも免税の数量が定められていますが、本記事では執筆時点でベトナム税関の一次資料から数量を確認できていないため具体的な数値を記載していません。購入量を決める前に、ベトナム税関(https://www.customs.gov.vn/ )の公式情報でご確認ください。
Q.ニコチン入りリキッドを日本へ持ち込めますか?
A.日本ではニコチンを含有するリキッド・カートリッジは医薬品に該当します。厚生労働省の Q&A では、税関限りの確認で通関できるのは 1 か月分(リキッドの場合 120ml)までとされ、超える場合は薬監証明が必要とされています。装置は医療機器に該当し 1 個(必要ならスペア 1 個)までです(出典: https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc1462&dataType=1&pageNo=2 )。
