自治体別 路上喫煙ルールと過料一覧 2026
目次
そもそも路上喫煙禁止条例とは
路上喫煙禁止条例は、各自治体(市区町村)が独自に制定する条例で、屋外の公共の場所(道路・歩道・公園など)での喫煙を制限するものです。2002 年に東京都千代田区が「安全で快適な千代田区の生活環境の整備に関する条例」(千代田区生活環境条例)として全国で初めて罰則付きの路上喫煙禁止条例を制定して以降、全国の自治体に広がりました。
同じ「路上喫煙禁止」でも、自治体によって ①対象範囲(市区内全域 / 駅周辺などの指定地区のみ)、②過料金額(1,000 円 / 2,000 円 / なし)、③対象たばこ(紙巻きのみ / 加熱式も含む)、④歩きたばこに限るか立ち止まり喫煙も対象か、が異なります。本記事では、出典の確認できた主要自治体について 2026 年 5 月時点の情報を整理します。
記載内容は各自治体公式サイトを参照していますが、条例改正により内容が変わることがあります。最新情報は必ず自治体公式サイトでご確認ください。本記事は税・法令の助言ではなく、一次情報へのリンク付きまとめとして提供しています。
自治体別 過料金額一覧(2026 年 5 月時点)
以下、過料金額・対象範囲・出典 URL を併記して整理します。罰則のない自治体でも、屋外の公共の場所での喫煙が条例で禁止または抑制されている場合があります。
過料 2,000 円の自治体
- 千代田区(東京都):区内全域(皇居等を除く)が路上禁煙地区。違反者には 2,000 円の過料。条例は 2002 年 10 月 1 日施行・過料処分は 2002 年 11 月から運用、2024 年 11 月 1 日からは加熱式タバコも明確に過料対象(プレスリリースは 2024 年 10 月 1 日付)。出典:千代田区生活環境条例(https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/machizukuri/sekatsu/jore/jore.html)/加熱式対象化のプレスリリース(https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/kuse/koho/pressrelease/r6/r610/20241001.html)
- 渋谷区(東京都):屋外の公共の場所での喫煙は過料処分(2,000 円)の対象。2019 年 7 月から指導員が区内全域を巡回し取締を実施。「きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例」に基づく。出典:渋谷区喫煙ルール(https://www.city.shibuya.tokyo.jp/kankyo/machi-seiso/kitsuen/kituenrule.html)
- 横浜市(神奈川県):横浜駅周辺・関内駅周辺・新横浜駅周辺など指定された「喫煙禁止地区」内で 2,000 円の過料。地区外でも歩きたばこ等の禁止規定あり。出典:横浜市公式(https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/gomi-recycle/seiketsu/kitsuen/kinshitiku.html)
- 東村山市(東京都):路上喫煙禁止地区内で 2,000 円の過料。出典:東村山市公式(https://www.city.higashimurayama.tokyo.jp/kurashi/gomi/hozen/tabacco/rojyoukituen.html)
- 北区(東京都):指定喫煙場所以外で喫煙した者に 2,000 円以下の過料。王子駅・赤羽駅・田端駅・板橋駅東口・東十条駅・十条駅周辺を路上喫煙禁止地区に指定。立ち止まっての喫煙も禁止。出典:東京都北区路上喫煙の防止等に関する条例(https://www.city.kita.lg.jp/dev-environment/environment/1010084/1010085.html)
- 名古屋市(愛知県):名古屋駅地区・栄地区・金山地区・藤が丘地区を路上禁煙地区に指定。地区内の道路上での喫煙は 2,000 円の過料。出典:名古屋市「安心・安全で快適なまちづくりなごや条例」(https://www.city.nagoya.jp/kurashi/category/2-4-2-0-0-0-0-0-0-0.html)
過料 1,000 円の自治体
- 大阪市(大阪府):2025 年 1 月 27 日から市内全域で路上喫煙禁止。違反者には 1,000 円の過料。それ以前は御堂筋等の指定地区のみだったが、市内全域に拡大された。出典:大阪市公式(https://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/page/0000503379.html)/全域拡大の案内(https://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/page/0000630108.html)
- 品川区(東京都):路上喫煙禁止・地域美化推進地区内で 1,000 円の過料。出典:品川区公式(https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kankyo/kankyo-kankyo/hpg000011438.html)
- 京都市(京都府):市内全域で屋外の公共の場所での喫煙を禁止。さらに人通りが多く危険性の高い地域を「路上喫煙等対策強化区域」(旧:過料を徴収する区域、2023 年 3 月 1 日より名称改正)に指定し、当該区域内で違反すると 1,000 円の過料。河原町通・烏丸通・四条通・御池通に囲まれた地域、京都駅地域、清水・祇園地域などが対象。出典:京都市公式(https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000291969.html)/対策強化区域(https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000027498.html)
- 神戸市(兵庫県):「神戸市ぽい捨て及び路上喫煙の防止に関する条例」に基づき、三宮・元町地区、六甲道駅周辺地区、須磨海水浴場地区(夏季)を路上喫煙禁止地区に指定。地区内で違反すると 1,000 円の過料。同条例では加熱式タバコは「喫煙」の定義に該当せず本条例の対象外(受動喫煙防止条例では別途規制対象)。出典:神戸市公式(https://www.city.kobe.lg.jp/a84526/kurashi/activate/project/eco/outsmoking.html)
罰則規定なし(条例による禁止・啓発のみ)の自治体
- 新宿区(東京都):「新宿区空き缶等の散乱及び路上喫煙による被害の防止に関する条例」(通称:ポイ捨て・路上喫煙禁止条例)で区内全域の路上喫煙を禁止しているが、過料等の罰則規定はない。啓発活動が中心。出典:新宿区公式(https://www.city.shinjuku.lg.jp/seikatsu/file11_01_00006.html)
- 中央区(東京都):「中央区受動喫煙防止対策の推進に関する条例」(2020 年 7 月施行)で公共の場所での喫煙を禁止(指定場所を除く)。過料規定はないが、指導・勧告に従わない場合は氏名等の公表規定あり。出典:中央区公式(https://www.city.chuo.lg.jp/a0030/kenkouiryou/kenkou/tobacco/rule/20200629181934552.html)
- 港区(東京都):「港区環境美化の推進及び喫煙による迷惑の防止に関する条例」(2014 年 7 月施行)で「みなとタバコルール」を定め、屋外の公共の場所での路上・歩行喫煙を禁止しているが、過料等の罰則規定はない。指導が中心。出典:港区公式(https://www.city.minato.tokyo.jp/kankyo-machi/kankyo/tobacco/index.html)
過料金額が自治体によって違う理由
路上喫煙の規制は、地方自治法 14 条 3 項に基づく自治体の条例で行われます。同条は条例違反に対して「2 年以下の拘禁刑、100 万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑又は 5 万円以下の過料を科する旨の規定」を設けることができると定めており、過料の上限は 5 万円です(2025 年 6 月 1 日施行の刑法改正で「懲役・禁錮」が「拘禁刑」に一本化された)。各自治体は 5 万円以下の範囲で、地域の実情に応じて金額を設定しています。
実務上は 1,000〜2,000 円が一般的で、これは「現場で違反者がその場で支払える金額」という運用面の配慮と、苦情の多寡・指導員の体制を踏まえた金額設定になっています。罰則を設けない自治体は、過料徴収のための指導員体制・現金徴収オペレーションを置かない代わりに、啓発と区民協働で対応する方針を選択しています。
なお、兵庫県姫路市は 2026 年 3 月に姫路駅周辺の路上喫煙禁止区域で過料を 2 万円に引き上げる条例改正案を可決・成立させ、2026 年 7 月 1 日施行予定です。実現すれば全国最高額となります(出典:姫路市公式 https://www.city.himeji.lg.jp/kurashi/0000033143.html)。苦情の多さを背景に過料金額を引き上げる動きが各地で出ており、最終的に成立・施行された金額は各自治体公式サイトでご確認ください。
違反しないための実践ポイント
取締を受けないための基本は、屋外の公共の場所では指定された喫煙所以外で喫煙しないことです。以下のポイントを押さえておくと、初めて訪れる自治体でも安心して過ごせます。
- 駅前・繁華街・観光地は規制が厳しい。指導員(自治体職員や委託業者)が巡回しており、現場で過料を徴収するケースが一般的。
- 「歩きたばこ」だけが禁止と誤解しないこと。多くの自治体(千代田区・北区・名古屋市など)では「立ち止まっての喫煙」も対象。
- 加熱式タバコ(IQOS / glo / Ploom 等)は多くの自治体で紙巻きと同様に過料対象(千代田区は 2024 年 11 月 1 日から加熱式の過料徴収を明確化)。ただし神戸市の路上喫煙防止条例のように加熱式を「喫煙」の定義から除外している例もあるため、自治体ごとの定義をご確認ください。
- 私有地内(マンション敷地内・店舗敷地内など)は条例の対象外になる場合があるが、施設管理者のルールに従う必要がある。
- 路上禁煙地区かどうかは、歩道上の路面標示・路上シール・案内看板で示されていることが多い。「ここは路上喫煙禁止区域です」の表示を見たら指定喫煙所へ移動。
- 過料はその場で現金徴収されるケースが多い。指導員に対して逃走・暴行を行うとさらに刑事罰の対象になりうるため、指示には素直に従う。
マナーアップのために(健康増進法と屋内ルール)
路上喫煙禁止条例とは別に、2020 年 4 月に全面施行された改正健康増進法では、屋内の喫煙について全国共通のルールが定められています。多くの飲食店・職場・公共施設では屋内が原則禁煙となり、喫煙する場合は喫煙専用室や指定の屋外喫煙所を利用する必要があります。20 歳未満は喫煙室への立ち入りが禁止されている点も併せて押さえておきましょう。
屋外でも、子ども・妊婦・非喫煙者の通行が多い場所、住宅街、学校・病院の近くでは特に配慮が求められます。指定喫煙所を利用する、携帯灰皿を使う、吸い殻のポイ捨てをしない、といった基本マナーが過料処分の予防にもつながります。
モットスイタイで近隣の喫煙所を探す
路上喫煙の過料を避けるいちばん確実な方法は、合法的に喫煙できる場所を事前に把握しておくことです。モットスイタイのマップ では、現在地から半径 2km 以内の喫煙所、お気に入り、自分が登録したピンを一覧表示できます。タバコの種類(紙巻き / 加熱式)や設備(屋根あり・座席あり等)でも絞り込み可能。日本の喫煙ルール全体については 日本の喫煙所事情とマナー完全ガイド も参照してください。
よくある質問
Q.路上喫煙で一番過料が高い自治体はどこ?
A.2026 年 5 月時点で現在施行されている主要自治体の最高額は、千代田区・渋谷区・横浜市・北区・名古屋市・東村山市の 2,000 円です。なお兵庫県姫路市は 2026 年 3 月に姫路駅周辺で過料を 2 万円とする条例改正案を可決・成立させており、2026 年 7 月 1 日施行予定で、実現すれば全国最高額となります(出典:姫路市公式 https://www.city.himeji.lg.jp/kurashi/0000033143.html)。
Q.大阪市は本当に市内全域で路上喫煙禁止になったのですか?
A.はい。大阪市公式サイトによれば、2025 年 1 月 27 日から市内全域で路上喫煙禁止が運用されており、違反者には 1,000 円の過料が科されます。それ以前は御堂筋等の指定地区のみが対象でした。出典:https://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/page/0000503379.html
Q.加熱式タバコ(IQOS / glo / Ploom)も路上喫煙の取締対象ですか?
A.はい。多くの自治体で加熱式タバコも紙巻きと同様に条例の対象です。千代田区は 2024 年 10 月 1 日から、加熱式タバコの路上喫煙にも 2,000 円の過料を徴収することを明確化しました。出典:千代田区プレスリリース(https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/kuse/koho/pressrelease/r6/r610/20241001.html)
Q.「歩きたばこ」じゃなく立ち止まって吸えば過料は払わなくていい?
A.いいえ。千代田区・北区・名古屋市など多くの自治体では、路上禁煙地区内では「立ち止まっての喫煙」も禁止対象です。歩きたばこに限定している自治体もありますが、それは少数派。条例の対象範囲は自治体ごとに異なるため、各自治体公式サイトでご確認ください。
Q.罰則のない自治体(新宿区・中央区・港区など)なら自由に吸ってもいいですか?
A.いいえ。罰則がなくても、屋外の公共の場所での喫煙は条例で禁止または抑制されており、指導員からマナー指導を受けます。中央区は氏名公表規定も持っています。指定喫煙所の利用を強くおすすめします。
Q.私有地内(自宅の庭やマンション敷地内)なら過料の対象外?
A.基本的に路上喫煙禁止条例は「屋外の公共の場所」が対象であり、私有地内は対象外です。ただし、マンション・施設の管理規約で禁煙が定められている場合はそれに従う必要があり、近隣への煙の流出によりトラブルになる事例もあります。
Q.過料はその場で支払う必要がありますか?
A.はい。多くの自治体(神戸市など)では、路上喫煙防止指導員が違反者を発見した場合、その場で現金徴収するオペレーションを採用しています。所持金がない場合は後日納付になることもありますが、指示には従ってください。
