職場で喫煙者と非喫煙者が気持ちよく働くには?【2026】お互いにできる配慮のコツ
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はじめに:本記事の前提と免責
本記事は、厚生労働省「なくそう!望まない受動喫煙。」(https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/)を一次情報源として、2026 年 7 月時点の制度と、職場でよく話題になる配慮のポイントを第三者の立場で整理したものです。健康への影響について医学的な主張を行うものではなく、喫煙を推奨するものでもありません。特定の会社の規程・運用に関する法的な判断も示しません。実際の取り扱いは勤務先の就業規則を確認し、判断に迷う場合は人事・労務の担当や専門家にご相談ください。
まず押さえる:職場の喫煙ルールは法律で枠が決まっている
事務所・工場・店舗などの職場は第二種施設にあたり、改正健康増進法により屋内は原則禁煙です。喫煙できるのは、法律の要件を満たして設けられた喫煙専用室(喫煙のみ可・飲食不可)や、加熱式たばこ専用喫煙室(加熱式のみ・飲食可)などの中に限られます。学校・病院・行政機関などの第一種施設は敷地内禁煙が原則です。喫煙できるエリアには、客・従業員を問わず 20 歳未満は立ち入れません(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/)。
同法は、望まない受動喫煙を生じさせないよう周囲の状況に配慮することも求めています。つまり「決められた場所で吸えばそれで終わり」ではなく、周囲への気配りが制度の一部として位置づけられています。施設区分と喫煙室の種類の全体像は 改正健康増進法の解説、日常的なマナーの基本は 喫煙マナーの基本 にまとめています。
においや残り香に関する配慮
職場の話題として最も多く挙がるのが、においに関することです。感じ方には個人差が大きく、気にならない人もいれば、狭い会議室や共有スペースで気になるという人もいます。どちらが正しいという話ではないため、「気になる人がいる前提で、負担の少ない範囲で整える」という考え方が現実的です。
- 喫煙後すぐに人と至近距離で話す予定があるときは、少し時間を置く、上着を席に置いてから喫煙室に行く、といった順序の工夫をする
- 換気の悪い小会議室や、複数人が長時間過ごす部屋では特に配慮する
- 共有の休憩スペースや更衣室に喫煙具・灰皿を持ち込まない
- 気になる側は「臭い」という言い方ではなく、「この部屋は換気が弱いので窓を開けたい」など、行動として提案する
- エアコンの効いた閉め切りの部屋が続く時期は、双方から換気の相談をしておく
打合せ・来客・接客の前後で気をつけたいこと
取引先との打合せや接客の直前は、社内以上に配慮が求められる場面です。相手の考え方が分からない以上、「気にしないだろう」と前提を置かないほうが無難です。訪問前や来客対応の直前は喫煙のタイミングを外す、面談後に時間を取る、といった段取りにしておくと余計な気遣いが減ります。
また、訪問先が敷地内禁煙の施設であることもあります。病院・学校・行政機関などの第一種施設は敷地内禁煙が原則なので、訪問先の区分を事前に把握しておくと、現地で困りません。屋外の指定喫煙所を事前に調べておくと、移動の合間に無理なく組み込めます。
喫煙室での会話を「情報格差」にしない
職場の不満として根深いのが、喫煙室での立ち話がそのまま意思決定になってしまう状態です。これは喫煙しない人だけの問題ではなく、在宅勤務の人、時短勤務の人、別フロアの人にも同じように影響します。特定の場所にいた人だけが経緯を知っている状態は、チーム運営としての弱点になります。
- 喫煙室で出た仕事の話は、戻ってからチャットや議事メモにテキストで残す
- 「決定はテキストで共有されたものだけを正とする」というチームのルールを作る
- 雑談から生まれた案は、次の定例で改めて全員の前に出す
- 相談を持ちかけられた側も、「その話は戻ってからチャットで」と切り分ける
これは喫煙する人を責める話ではなく、情報の経路を一本化するという運営の工夫です。結果的に、後から参加した人や休んでいた人にも経緯が伝わるようになります。
喫煙しない側の伝え方
気になっていることを伝えるとき、相手の人格や習慣そのものを否定する言い方になると、本題である「困っている状況の改善」から遠ざかりがちです。伝えたいのは相手の是非ではなく、自分が困っている具体的な事象である、という整理をしておくと切り出しやすくなります。
- 「タバコをやめてほしい」ではなく「この会議室は換気したい」というように、場面と行動を具体的に伝える
- 毎回言うのが負担なら、チームの運用ルールとして上司や人事に相談する
- 相手が配慮してくれたときは、その場で伝える。配慮が続きやすくなります
- 感じ方には個人差があるため、周囲を巻き込んで「みんなが嫌がっている」という言い方にしない
上司・部下という立場が絡むとき
立場の差があると、言いにくさは一気に増します。部下の側からは指摘しづらく、上司の側は気づきにくい、という非対称が生まれやすい場面です。管理職の立場では、個別に指摘されるのを待つのではなく、チームのルールとして先に決めておくほうが、誰かが我慢を続ける状態を避けやすくなります。
また、部下を喫煙室に誘って相談ごとをするのは、相手が喫煙しない場合には断りづらい誘いになります。1 対 1 の面談は会議室やオンラインで行う、という運用にしておくと、こうした気まずさは生じません。逆に、部下から上司に伝えづらい場合は、人事や社内の相談窓口を経由する方法もあります。
屋外・敷地外で吸う場合の周辺への配慮
屋内に喫煙室がない職場では、外の指定喫煙所を使うことになります。自治体によっては路上喫煙が制限されている区域があり、区域や取り扱いは自治体ごとに異なるため、勤務地の自治体の公式情報をご確認ください。最寄りの指定喫煙所は モットスイタイの喫煙所マップ で確認できます。ビルの出入口付近や、近隣の店舗・住宅のそばで吸うと苦情の原因になりやすいため、指定された場所を使うのが無難です。
在宅勤務・ハイブリッド勤務の場合
在宅勤務が併用される職場では、においに関する配慮の場面は減る一方で、情報共有の非対称は残ります。出社している人だけで話が進む状態は、喫煙室に限らず起こるためです。オンライン会議の直前に喫煙する場合は、同居する家族や近隣への配慮も含めて、自宅のルールを別に整えておく必要があります。会議中はカメラ・マイクの前で喫煙しないなど、オンライン特有の配慮も共有しておくと安心です。
新しく入った人・異動してきた人への案内
喫煙をめぐるすれ違いは、ルールを知らないまま始まることが少なくありません。入社時や異動時のオリエンテーションで、喫煙できる場所(喫煙室の有無・敷地内禁煙かどうか)、就業時間中の喫煙に関する社内ルール、離席時の連絡方法を最初に伝えておくと、後からの指摘が減ります。喫煙しない人にも同じ情報を共有しておくと、基準が全員でそろいます。
困ったときの相談先
当事者間で解決しない場合や、我慢が続いている場合は、上司・人事・社内の相談窓口といった第三者を挟むのが一般的です。本記事は一般的な配慮の整理であり、個別の事案について法的な結論を示すものではありません。就業環境に関する具体的な対応が必要な場合は、社内規程を確認のうえ、労務の専門家にご相談ください。
おわりに:どちらかを我慢させない設計に
職場の喫煙をめぐる摩擦は、多くの場合「誰が悪いか」ではなく「決めていないこと」から生まれます。吸える場所は法律で枠が決まっているので、残るのは離席の見える化、においへの気配り、情報共有の一本化という運用の話です。どれも一方だけの努力では続かないため、チームで一度話しておくのが結局は早道になります。休憩時間の扱いについては タバコ休憩と公平性の整理、職場の飲み会での立ち回りは 飲み会・会食での喫煙マナー も合わせてご覧ください。
職場の喫煙まわりの気まずさを減らす 5 ステップ
法律で決まっている枠を確認したうえで、チーム内の運用を整えるための実践手順。
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ステップ 1
吸える場所を全員が把握する
喫煙専用室・加熱式専用室の有無、敷地内禁煙かどうか、外の指定喫煙所の位置を、喫煙する人・しない人の双方が把握できる状態にします。
- 2
ステップ 2
離席と復帰を見える形にする
席を離れるときに一声かける、チャットのステータスを変えるなど、いつ戻るかが分かる運用にします。会議直前や締切直前は避けます。
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ステップ 3
打合せ前後のタイミングを整える
来客対応や訪問の直前は喫煙のタイミングを外し、換気の悪い部屋での長時間の打合せでは特に配慮します。訪問先が敷地内禁煙かどうかも事前に確認します。
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ステップ 4
決定はテキストに残すルールにする
喫煙室で出た話は戻ってから共有し、決定事項はチャットや議事メモに残します。その場にいなかった人が経緯を追える状態を保ちます。
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ステップ 5
言いにくさは仕組みで解消する
個人間で指摘しづらい場合は、チームのルールとして上司や人事に相談します。立場の差がある場面ほど、先にルールを決めておくほうが誰も我慢しなくて済みます。
よくある質問
Q.職場のどこで喫煙できますか?
A.改正健康増進法(2020 年 4 月全面施行)により、事務所などの第二種施設の屋内は原則禁煙です。喫煙できるのは要件を満たして設けられた喫煙専用室(飲食不可)や加熱式たばこ専用喫煙室(加熱式のみ・飲食可)などに限られます。学校・病院・行政機関などの第一種施設は敷地内禁煙が原則で、喫煙エリアには 20 歳未満は立ち入れません(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/)。
Q.喫煙後の打合せで気をつけることはありますか?
A.相手の感じ方は分からないため、至近距離で長時間話す予定の前は時間を空ける、換気の悪い小さな会議室では特に配慮する、といった段取りの工夫が挙げられます。取引先への訪問前や来客対応の直前は、タイミングを外しておくのが無難です。
Q.においが気になることを同僚にどう伝えればよいですか?
A.相手の習慣そのものを否定する言い方より、「この会議室は換気したい」など場面と行動を具体的に提案するほうが、改善につながりやすいという考え方があります。毎回伝えるのが負担な場合は、チームの運用ルールとして上司や人事に相談する方法もあります。
Q.喫煙室で話が決まってしまうのを防ぐには?
A.決定事項はテキストで共有されたものを正とする、というチームのルールにするのが分かりやすい方法です。喫煙室に限らず、在宅勤務の人や別フロアの人が情報から外れる問題にも同時に効きます。
Q.上司が喫煙室で相談してくるのが負担です。
A.1 対 1 の面談は会議室やオンラインで行う、という運用をチームで決めておくと、断りづらさが生じにくくなります。直接言いにくい場合は、人事や社内の相談窓口を経由する方法もあります。
