葬儀・お通夜での喫煙マナー【2026】斎場の喫煙所の探し方と、棺に入れられるものの話
目次
はじめに:本記事の前提と免責
本記事は、厚生労働省「なくそう!望まない受動喫煙。」(https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/)、e-Gov 法令検索の健康増進法(https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000103)、および記事中で URL を明記した各自治体の火葬場・斎場の公式案内を一次情報源として、2026 年 8 月時点の情報を整理したものです。特定の斎場に喫煙所があるかどうかを示すものではなく、特定の宗派の作法について判断を示すものでもありません。副葬品の可否は火葬場ごとに定めが異なるため、実際の判断は必ず葬儀社および利用する火葬場にご確認ください。20 歳未満の喫煙は法律で禁止されています。本記事は喫煙を推奨するものではありません。
判断の軸は「遺族が気にせずに済むか」
葬儀やお通夜の場では、参列者の一人ひとりが遺族の負担を減らす側に回ることが求められます。喫煙についても、「吸ってよいか/いけないか」を自分で決めるのではなく、「遺族や他の参列者が気を遣わずに済むか」を先に考えるのが実際的です。会場のルールを守っているかどうか以前に、席を外す頻度、においの残り方、戻ってきたときの立ち居振る舞いが、周囲の印象を左右します。
とくにお通夜は、遺族が長時間にわたって弔問を受け続ける場です。参列者が席を離れる回数が多いと、遺族側は「何かご不便があったのだろうか」と気を回すことになります。喫煙する場合は、回数を絞り、周囲に負担をかけない形にまとめる、という考え方が無難です。
斎場・葬儀場の喫煙ルールはどう決まっているか
改正健康増進法は 2020 年 4 月 1 日に全面施行され、多数の利用者がいる施設は原則屋内禁煙となりました。条件を満たせば喫煙専用室・加熱式たばこ専用喫煙室・喫煙可能室・喫煙目的室を設けることができますが、いずれの喫煙エリアにも 20 歳未満は一切立ち入れません。また、喫煙できる設備を持つ施設には指定された標識の掲示が義務づけられています(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/ )。斎場や葬儀場も多数の利用者がいる施設にあたるため、この枠組みのもとで運用されています。
- 屋内(式場・控室・待合室・ロビー等)は原則禁煙。喫煙できるのは要件を満たした喫煙室等に限られる
- 喫煙エリアには 20 歳未満は一切立ち入れない(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/ )
- 喫煙できる設備がある施設には指定された標識の掲示が義務づけられている(同)
- 屋外の喫煙場所でも、健康増進法第 27 条第 1 項の配慮義務が及ぶ(出典: e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000103 )
- 個別の斎場に喫煙所があるかどうかは施設ごとに異なる。分からない場合は係員に尋ね、自己判断で吸わない
喫煙室の 4 種類の違いと標識の見分け方は 改正健康増進法の解説記事 と 喫煙所のピクトグラム解説 にまとめています。斎場の敷地内に喫煙できる場所がない場合は、モットスイタイの喫煙所マップ で周辺の指定喫煙所を確認しておくと、当日あわてずに済みます。
タイミング:席を外してよい場面・避けたい場面
進行の途中で席を立つと、遺族や他の参列者の目に留まります。開式の直前、読経中、弔辞や焼香の進行中は避け、区切りのついた時間帯にまとめるのが基本です。喪主や遺族に挨拶をする列ができているタイミングも、席を外すには向きません。
- 開式前後・読経中・焼香の進行中は席を立たない
- 受付や案内を担当している場合は、交代の目処を立ててから離れる
- 同行者がいる場合は「どこへ行き、いつ戻るか」を伝えておく
- 喫煙所の場所が分からないまま探し歩くと戻りが遅れる。到着時に係員へ確認しておく
- 長時間の待機がある日程(火葬の待ち時間など)は、控室の外に出るタイミングを他の参列者と重ならないよう調整する
におい・服装への配慮
弔問の席は距離が近く、焼香や献花の際に遺族と対面します。喫煙後にすぐ列に並ぶと、においが気になる人が出る可能性があります。屋外で吸ったあとは少し時間を置く、手を洗う、上着を風にあてる、といった一手間で印象は変わります。ご遺族に小さなお子さまや妊娠中の方がいる場合は、とくに距離感に配慮してください。
また、携帯灰皿を持参し、吸い殻は必ず持ち帰るか施設の指示に従って処理します。斎場の敷地は静かな環境に置かれていることが多く、周辺は住宅地であることも珍しくありません。屋外の指定喫煙所以外での喫煙は避けてください。自治体によっては路上喫煙を禁止する条例があり、対象区域や過料の金額は自治体ごとに異なります。
通夜振る舞い・会食の席での立ち回り
通夜振る舞いや精進落としの席でも、屋内は原則禁煙という前提は変わりません。会食の場での喫煙をめぐる一般的な配慮の考え方は 会食・飲み会での喫煙マナーの記事 にまとめていますが、弔いの席ではさらに慎重に構えるのが無難です。席を立つ回数を減らし、戻ってからは静かに着席する。この 2 点だけでも受け止められ方はかなり違います。基本的な配慮の考え方は 喫煙マナーの基本 も参考になります。
副葬品としてのタバコ:可否は火葬場ごとに異なります
「故人が愛用していたタバコを棺に納めたい」という相談は珍しくありません。ここで最も重要なのは、棺に納められるものの範囲が火葬場ごとに定められており、全国共通のルールではないという点です。実際、自治体の公式案内を並べてみると、書かれている内容には幅があります。
- 箕面市は「棺に納める副葬品(故人の愛用品、衣類、人形、写真など)は、さまざまな弊害をもたらします」として、極力入れないよう協力を求めています(出典: https://www.city.minoh.lg.jp/seien/seien/kasousisetsu.html )
- 海南市は「副葬品の中には、火葬炉内で爆発してご遺体に傷を付けたり、溶けてお骨に付着するものがあります」と説明しています(出典: https://www.city.kainan.lg.jp/kakubusho/kurashibu/kankyoka/saijo/7466.html )
- 丹波市は、棺の上に置いたまま火葬できる副葬品を「添花(最小限のもの)・位牌(信教の違いにより位牌に類するものは可)のみ」とし、その他は斎場係員の指示により持ち帰ってもらうとしています(出典: https://www.city.tamba.lg.jp/soshiki/kankyoka/gyomuannai/10/1840.html )
- 岡谷市は「副葬品は棺に入れないでください。」と案内し、対象例に大量の衣服類・寝具類・スプレー缶・ライターを挙げています(出典: https://www.city.okaya.lg.jp/soshikikarasagasu/shiminseikatsuka/636/211/4981.html )
このように、同じ「副葬品」という言葉でも、示される範囲は自治体・火葬場によって異なります。紙巻きたばこそのものを名指しで可否を示している公式案内は、本記事の調査時点では確認できませんでした。したがって「タバコは入れてよい」とも「入れてはいけない」とも断定できません。納めたいものがある場合は、必ず事前に葬儀社を通じて、利用する火葬場の定めを確認してください。
ライター・電池を含む機器は「爆発する恐れがあるもの」として挙げられています
一方で、はっきりと公式に名指しされているものもあります。箕面市は、副葬品が原因で「火葬中に爆発がおこり、人命に危険が生じたり、炉が損傷する原因となる」として、危険物にスプレー缶・ライター・電池を挙げています(出典: https://www.city.minoh.lg.jp/seien/seien/kasousisetsu.html )。海南市も「爆発する恐れのあるもの」としてスプレー缶、ライター、密封されたビンや缶、ペースメーカー、電池を含む機器(携帯電話)などを列挙しています(出典: https://www.city.kainan.lg.jp/kakubusho/kurashibu/kankyoka/saijo/7466.html )。丹波市も同様に、爆発する恐れのあるものとしてスプレー缶・ライター・密封してあるビンや缶等を挙げています(出典: https://www.city.tamba.lg.jp/soshiki/kankyoka/gyomuannai/10/1840.html )。
つまり、ライターは複数の自治体が公式に「爆発する恐れのあるもの」として明記しており、棺に納めるべきではないことがはっきりしています。加熱式たばこのデバイス本体については、本記事の調査時点で名指しした公式案内は確認できませんでしたが、充電式の電池を内蔵する製品が一般的であり、海南市が挙げる「電池を含む機器」という分類に関わってくる可能性があります。可否の判断は必ず葬儀社および火葬場にご確認ください。なお、箕面市は「特に、ペースメーカーは、爆発の危険があるため、事前に申し出てください」とも案内しています。
遠方の斎場へ向かうとき
訃報は急に届くもので、遠方の斎場へ長距離を移動することもあります。道中の休憩施設の喫煙ルールを把握しておくと、移動計画が立てやすくなります。一般道の休憩施設については 道の駅の喫煙所ガイド、高速道路については SA・PA の喫煙所ガイド にまとめています。到着地周辺の指定喫煙所は モットスイタイの喫煙所マップ で事前に確認できます。
おわりに:迷ったら「確認する」を選ぶ
葬儀の場で判断に迷ったときは、自分で結論を出すのではなく、葬儀社の担当者や斎場の係員に尋ねるのが最も確実です。喫煙できる場所も、棺に納められるものの範囲も、施設ごとに定めが違います。「以前は大丈夫だった」「別の斎場ではできた」を根拠にしないでください。遺族が余計な心配をせずに済むことが、参列者にできる一番の配慮です。
なお、本記事は一般的な整理を示すものであり、特定の宗派の作法や、個別の斎場・火葬場の運用について判断を示すものではありません。詳細は必ず葬儀社および該当施設にご確認ください。
葬儀・お通夜で喫煙者が押さえておく 5 ステップ
到着から出棺まで、遺族に気を遣わせずに過ごすための確認と段取りの手順。
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ステップ 1
到着時に喫煙できる場所を係員へ確認する
斎場は屋内が原則禁煙で、喫煙できる設備がある場合は指定された標識が掲示されています(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/ )。到着時に係員へ場所を確認しておくと、後で探し歩かずに済みます。敷地内にない場合は周辺の指定喫煙所を地図で調べておきます。
- 2
ステップ 2
席を外す時間帯をあらかじめ決める
開式前後・読経中・焼香の進行中は席を立たないようにし、区切りのついた時間帯にまとめます。受付や案内を担当している場合は、交代の目処を立ててから離れます。同行者には行き先と戻る時間を伝えておきます。
- 3
ステップ 3
喫煙後は少し時間を置いてから列に並ぶ
焼香や献花では遺族と対面します。屋外で吸ったあとは少し間を置き、手を洗う、上着を風にあてるといった配慮をします。小さなお子さまや妊娠中の方が近くにいる場合はとくに距離に留意してください。
- 4
ステップ 4
吸い殻は必ず持ち帰るか施設の指示に従う
携帯灰皿を用意し、指定喫煙所以外では吸わないようにします。斎場の周辺は住宅地であることも多く、自治体によっては路上喫煙を禁止する条例があります。対象区域や金額は自治体ごとに異なるため、公式情報をご確認ください。
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ステップ 5
棺に納めたいものは必ず事前に確認する
副葬品の可否は火葬場ごとに定めが異なります。ライターやスプレー缶、電池を含む機器は「爆発する恐れのあるもの」として複数の自治体が公式に挙げています。納めたいものがある場合は、当日その場で判断せず、葬儀社を通じて火葬場に確認してください。
よくある質問
Q.斎場に喫煙所はありますか?
A.施設ごとに異なります。斎場・葬儀場のような多数の利用者がいる施設は改正健康増進法により原則屋内禁煙で、喫煙できるのは要件を満たした喫煙室等に限られます(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/ )。喫煙できる設備がある施設には指定された標識の掲示が義務づけられています。場所が分からない場合は自己判断で吸わず、係員にお尋ねください。
Q.お通夜の途中でタバコを吸いに席を外してもよいですか?
A.法律で禁じられているわけではありませんが、開式前後・読経中・焼香の進行中に席を立つと、遺族や他の参列者の目に留まります。区切りのついた時間帯にまとめ、回数を絞るのが無難です。受付などを担当している場合は交代の目処を立ててから離れてください。
Q.棺に故人の愛用していたタバコを入れてもよいですか?
A.火葬場ごとに定めが異なるため、一律にはお答えできません。副葬品を極力入れないよう求める自治体(出典: 箕面市 https://www.city.minoh.lg.jp/seien/seien/kasousisetsu.html )や、棺の上に置ける副葬品を添花と位牌のみとする自治体(出典: 丹波市 https://www.city.tamba.lg.jp/soshiki/kankyoka/gyomuannai/10/1840.html )もあります。紙巻きたばこ自体を名指しした公式案内は確認できていないため、必ず葬儀社を通じて利用する火葬場にご確認ください。
Q.ライターや加熱式たばこのデバイスを棺に入れてはいけないのですか?
A.ライターは複数の自治体が公式に「爆発する恐れのあるもの」として明記しています(出典: 箕面市 https://www.city.minoh.lg.jp/seien/seien/kasousisetsu.html 、海南市 https://www.city.kainan.lg.jp/kakubusho/kurashibu/kankyoka/saijo/7466.html 、丹波市 https://www.city.tamba.lg.jp/soshiki/kankyoka/gyomuannai/10/1840.html )。海南市は「電池を含む機器(携帯電話)など」も挙げています。加熱式たばこのデバイス本体は充電式の電池を内蔵する製品が一般的なため、可否は必ず葬儀社および火葬場にご確認ください。
Q.喫煙後に焼香の列に並ぶとき、気をつけることはありますか?
A.弔問の席は距離が近く、遺族と対面します。屋外で吸ったあとは少し時間を置く、手を洗う、上着を風にあてるといった配慮があると印象が変わります。ご遺族に小さなお子さまや妊娠中の方がいる場合はとくに距離感に留意してください。健康増進法第 27 条第 1 項も、喫煙禁止場所以外で喫煙する際の周囲への配慮義務を定めています(出典: e-Gov https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000103 )。
