役所・公共施設に喫煙所はある?【2026】第一種施設のルールと「特定屋外喫煙場所」の要件
目次
はじめに:本記事の前提と免責
本記事は、e-Gov 法令検索の健康増進法(https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000103)および健康増進法施行規則(https://laws.e-gov.go.jp/law/415M60000100086)、厚生労働省「なくそう!望まない受動喫煙。」(https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/)と「改正健康増進法の体系」(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000744289.pdf)を一次情報源として、2026 年 8 月時点の制度を第三者の立場で整理したものです。特定の市役所・区役所・公共施設に喫煙場所があるかどうかを判断・保証するものではありません。庁舎ごとの運用は変わることがあるため、最新の情報は各自治体の公式サイトおよび施設の掲示でご確認ください。20 歳未満の喫煙は「二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律」により禁止されています(出典: e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/)。本記事は喫煙を推奨するものではありません。
役所は「第一種施設」に分類される
改正健康増進法は、施設を大きく第一種施設・第二種施設・喫煙目的施設に分けています。このうち第一種施設は、健康を損なうおそれが高い人が主として利用する施設として政令で定めるもの(学校・病院・児童福祉施設など)と、「国及び地方公共団体の行政機関の庁舎」で構成されます(出典: e-Gov 法令検索 健康増進法 第 28 条第 5 号 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000103)。市役所・区役所・町村役場・都道府県庁・国の出先機関の庁舎は、この「行政機関の庁舎」にあたります。
厚生労働省の資料では、第一種施設は「敷地内禁煙」とされ、屋内に喫煙室等の設備を設けることができないと整理されています。第一種施設に関する規定は 2019 年 7 月 1 日から施行され、飲食店や事務所などの第二種施設を含む全面施行は 2020 年 4 月 1 日でした(出典: 厚生労働省「改正健康増進法の体系」 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000744289.pdf)。つまり「役所の中に喫煙室がない」のは個々の自治体の方針ではなく、法律上の区分による結果です。
例外として置ける「特定屋外喫煙場所」とは
第一種施設が敷地内禁煙といっても、屋外に一切の喫煙場所を置けないわけではありません。健康増進法は「特定屋外喫煙場所」という枠組みを設けており、これは「第一種施設の屋外の場所の一部の場所のうち、当該第一種施設の管理権原者によって区画され、厚生労働省令で定めるところにより、喫煙をすることができる場所である旨を記載した標識の掲示その他の厚生労働省令で定める受動喫煙を防止するために必要な措置がとられた場所」と定義されています(出典: e-Gov 法令検索 健康増進法 第 28 条第 13 号 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000103)。
厚生労働省令にあたる健康増進法施行規則は、この「必要な措置」として、喫煙をすることができる場所である旨を記載した標識を掲示すること、および第一種施設を利用する者が通常立ち入らない場所に設置することを定めています(出典: e-Gov 法令検索 健康増進法施行規則 第 15 条 https://laws.e-gov.go.jp/law/415M60000100086)。
特定屋外喫煙場所の要件を整理すると
- 屋外であること(屋内に喫煙室等の設備を設けることはできません)
- 施設の管理権原者によって区画されていること(健康増進法 第 28 条第 13 号)
- 喫煙をすることができる場所である旨を記載した標識が掲示されていること(健康増進法施行規則 第 15 条)
- その第一種施設を利用する人が通常立ち入らない場所に設置されていること(同規則)
- 20 歳未満は、喫煙を目的としない場合であっても立ち入れないこと(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/point/)
「利用者が通常立ち入らない場所」という要件があるため、正面玄関わきや来庁者用の通路沿いといった目立つ位置には置きにくく、庁舎の裏手や職員用出入口の近くなど、案内表示をたどらないと分からない場所にあることが少なくありません。設置そのものが義務ではない点も重要で、要件を満たす場所を確保できない庁舎では、敷地内に喫煙場所がまったく設けられていないこともあります。
「役所に喫煙所がない」と感じるのはなぜか
喫煙場所が見つからない理由は、①そもそも設置されていない、②設置されているが「通常立ち入らない場所」にあり導線から外れている、③以前はあったが廃止された、のいずれかであることが多く、いずれの場合も敷地内の別の場所で吸ってよいことにはなりません。喫煙禁止場所で喫煙している人に対しては、施設の管理権原者等が中止または退出を求めるよう努めなければならないと定められており、都道府県知事が喫煙の中止や退出を命ずることができる仕組みもあります(出典: e-Gov 法令検索 健康増進法 第 29 条第 2 項・第 30 条 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000103)。施設区分と喫煙室の種類の全体像は 改正健康増進法の解説記事 に、掲示されている標識の読み方は 喫煙所の標識・ピクトグラムの記事 にまとめています。
手続きに行く前に確認しておきたいこと
- 庁舎の公式サイトで「受動喫煙」「敷地内禁煙」「喫煙場所」といった案内が出ていないかを見る
- 待ち時間が長くなりそうな手続き(転入・転出、税、年金、パスポート等)は、所要時間の目安を先に調べておく
- 敷地内に喫煙場所がない前提で、敷地の外にある指定喫煙所の位置と徒歩時間を先に把握しておく
- 庁舎周辺が路上喫煙を禁止する区域に指定されていないか、自治体の公式ページで確認する
- 携帯灰皿を持っていても、禁煙区域や敷地内で吸ってよいことにはならない点を確認しておく
敷地の外で吸える場所を探す場合は、モットスイタイの喫煙所マップ で庁舎周辺の指定喫煙所を先に確認しておくと、順番待ちの合間に往復できるかどうかを見積もりやすくなります。屋外で吸うときの基本的な配慮については 喫煙マナーの基本、吸い殻の持ち帰りについては 携帯灰皿の使い方ガイド も参考にしてください。
庁舎の外に出るときに注意したいこと
敷地の外に出れば自由に吸える、というわけではありません。多くの自治体が路上喫煙を禁止する条例を定めており、違反者に過料が科される場合があります。対象区域・過料の金額・施行日は自治体ごとに異なるため、お出かけ前に各自治体の公式情報をご確認ください。自治体別の整理は 路上喫煙の過料まとめ にあります。庁舎の敷地境界のすぐ外側は、来庁者の出入りが多く受動喫煙が起きやすい場所でもあるため、指定喫煙所まで移動するのが無難です。
図書館・公民館・体育館などはどう扱われるか
公共施設といっても、法律上の区分は施設の性格によって分かれます。行政機関がその事務を処理するために使用する庁舎は第一種施設ですが、それ以外の公共施設が第一種施設にあたるか第二種施設にあたるかは、施設の位置づけによって異なります。第二種施設であれば屋内は原則禁煙で、要件を満たす喫煙専用室等が設けられている場合に限りその中で喫煙できます(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/)。個別の施設がどちらにあたるかは本記事では判断できないため、施設に掲示されている標識と施設公式の案内でご確認ください。
なお、喫煙可能な設備を持つ施設には指定された標識の掲示が義務づけられています(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/point/)。逆にいえば、標識が見当たらない場所は喫煙できる場所ではない、と考えるのが安全です。
おわりに:まず「敷地内禁煙が原則」から考える
役所での用事は待ち時間が読みにくく、喫煙する人にとっては予定が立てづらい場面です。それでも出発点は「行政機関の庁舎は第一種施設で敷地内禁煙が原則」であり、喫煙場所があるとすれば区画・標識・通常立ち入らない場所という要件を満たした特定屋外喫煙場所に限られます。あらかじめ敷地外の指定喫煙所を調べておくのが、結果的にいちばん確実です。日本全体の喫煙所事情は 日本の喫煙所ガイド、たばこを買う場面については コンビニでのたばこの買い方 も合わせてご覧ください。
役所での手続き前に喫煙場所を確認する 5 ステップ
行政機関の庁舎は敷地内禁煙が原則。訪問前に敷地外の指定喫煙所まで含めて確認しておくための手順。
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ステップ 1
訪問先が第一種施設かを確認する
市役所・区役所・町村役場・県庁・国の出先機関の庁舎は健康増進法の第一種施設にあたり、敷地内が原則禁煙です。屋内に喫煙室を設けることはできないため、庁舎内で吸える場所を探す前提を外しておきます。
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ステップ 2
公式サイトで喫煙場所の案内を探す
自治体の公式サイトで「受動喫煙」「敷地内禁煙」「喫煙場所」などの案内が出ていないかを確認します。特定屋外喫煙場所が設けられている場合は、その位置が案内されていることがあります。
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ステップ 3
敷地外の指定喫煙所を地図で調べておく
敷地内に喫煙場所がない前提で、庁舎周辺の指定喫煙所の位置と徒歩時間を先に確認します。順番待ちの合間に往復できるかどうかの見積もりが立てやすくなります。
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ステップ 4
周辺が路上喫煙禁止区域かを確認する
多くの自治体が路上喫煙を禁止する条例を定めており、違反者に過料が科される場合があります。対象区域と内容は自治体ごとに異なるため、各自治体の公式ページで確認しておきます。
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ステップ 5
現地では標識を必ず確認する
喫煙可能な設備を持つ施設には指定された標識の掲示が義務づけられています。標識のある場所以外では吸わず、20 歳未満は喫煙を目的としない場合でも喫煙エリアに立ち入れない点も確認しておきます。
よくある質問
Q.市役所や区役所に喫煙所はありますか?
A.庁舎によって異なります。行政機関の庁舎は健康増進法上の第一種施設で敷地内が原則禁煙のため、屋内に喫煙室を設けることはできません(出典: e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000103)。屋外に「特定屋外喫煙場所」が設けられている庁舎もありますが、設置は義務ではないため、まったくない庁舎もあります。訪問先の公式サイトと現地の掲示でご確認ください。
Q.「特定屋外喫煙場所」とはどんな場所ですか?
A.第一種施設の屋外の一部で、管理権原者によって区画され、喫煙できる場所である旨の標識が掲示され、その施設を利用する人が通常立ち入らない場所に設置された場所を指します(出典: e-Gov 法令検索 健康増進法 第 28 条第 13 号/健康増進法施行規則 第 15 条 https://laws.e-gov.go.jp/law/415M60000100086)。20 歳未満は立ち入れません。
Q.加熱式たばこなら役所の敷地内で吸えますか?
A.第一種施設では、紙巻きたばこか加熱式たばこかを問わず、特定屋外喫煙場所など法律で認められた場所以外で喫煙することはできません(出典: e-Gov 法令検索 健康増進法 第 29 条 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000103)。加熱式たばこ専用喫煙室は第二種施設に設けられるもので、第一種施設には設置できません(出典: 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000744289.pdf)。
Q.庁舎の敷地を出た路上なら吸ってもよいですか?
A.路上喫煙を禁止する条例を定めている自治体が多く、違反者に過料が科される場合があります。対象区域・金額・施行日は自治体ごとに異なるため、各自治体の公式情報をご確認ください。庁舎周辺は来庁者の出入りが多いため、指定された喫煙所まで移動するのが無難です。
Q.図書館や公民館は第一種施設ですか?
A.施設の位置づけによって異なり、本記事では個別の判断はできません。第二種施設であれば屋内は原則禁煙で、要件を満たす喫煙専用室等がある場合に限りその中で喫煙できます(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/)。喫煙可能な設備がある施設には標識の掲示が義務づけられているため、掲示の有無を確認してください。
