2026 年 10 月の加熱式たばこ増税を解説(新換算方式の全面適用と 2027 年以降の紙巻たばこ増税)
目次
はじめに:本記事の前提と免責
本記事は、財務省が公表している「令和 7 年度税制改正の大綱」(https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2025/07taikou_06.htm)および国税庁「加熱式たばこに係る課税方式の見直しについて(令和 8 年 4 月 1 日〜)」(https://www.nta.go.jp/information/other/data/r08/tabacco/03.htm)を一次情報源として、2026 年 7 月時点の内容を整理した第三者による解説です。
税制の詳細な取扱い、個別の課税関係、経過措置の適用については、必ず財務省・国税庁の公式資料をご確認ください。個別の税務相談については税務署または税理士にご相談ください。また、本記事は喫煙を推奨するものではありません。20 歳未満の者の喫煙は「二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律」により禁止されています。
2026 年 10 月 1 日に何が変わるのか
結論から言えば、2026 年 10 月 1 日に変わるのは「加熱式たばこの税額の計算方法」です。加熱式たばこには、紙巻たばこのような「本数」という単位がそのままは当てはまりません。そこで日本のたばこ税制では、加熱式たばこを「紙巻たばこ何本分に相当するか」に換算したうえで税額を計算する仕組みをとっています。この換算方法が、2025 年度(令和 7 年度)税制改正で見直されました。
この見直しは、加熱式たばこと紙巻たばこの間にあった税負担の差を解消することを目的としたものです。新しい換算方法は 2026 年 4 月 1 日から段階的に導入されており、2026 年 10 月 1 日はその第 2 段階、つまり新方式が全面的に(10 割)適用される日にあたります。
- 変わるもの:加熱式たばこの課税標準(紙巻たばこへの換算方法)
- 第 1 段階:令和 8 年(2026 年)4 月 1 日から新換算方式を 5 割適用
- 第 2 段階:令和 8 年(2026 年)10 月 1 日から新換算方式を 10 割適用
- 目的:加熱式たばこと紙巻たばこの税負担差の解消
- 対象:国のたばこ税だけでなく、地方たばこ税についても同様に課税標準の改正が適用されます
新しい換算方法:0.35 グラム/0.2 グラムで紙巻たばこ 1 本
財務省「令和 7 年度税制改正の大綱」によると、加熱式たばこの課税標準の換算方法は次のとおり定められています。紙巻たばこを使用するタイプの加熱式たばこについては、0.35 グラムをもって紙巻たばこの 1 本に換算します。それ以外のタイプについては、0.2 グラムをもって紙巻たばこの 1 本に換算します。
- 紙巻たばこを使用するタイプ:0.35 グラム = 紙巻たばこ 1 本に換算
- その他のタイプ:0.2 グラム = 紙巻たばこ 1 本に換算
国税庁の解説によると、加熱式たばこは「スティック型」と「非スティック型」に区分され、スティック型はフィルター等を含む全部または一部が遮蔽物に包まれているもの、非スティック型はそれ以外のものとされています。非スティック型(カプセル型等)についても重量に基づく換算のルールが定められていますが、その具体的な数値については、本記事では複数の公表資料の記述を突き合わせた際に整合を確認しきれなかったため、記載しません。詳細な換算式・区分の定義については、国税庁の公式解説をご確認ください。
なお、この改正は「換算方法」の変更であり、加熱式たばこの製品そのものの仕様や、使用できる場所のルールが変わるわけではありません。屋内での使用ルールは改正健康増進法(2020 年 4 月 1 日全面施行)に従い、加熱式たばこは基準を満たした喫煙専用室または加熱式たばこ専用喫煙室での使用となります。
2 段階施行のスケジュール(2026 年 4 月= 5 割、2026 年 10 月= 10 割)
新しい換算方法は一度に全面適用されるのではなく、2 段階に分けて導入されます。財務省「令和 7 年度税制改正の大綱」によると、第 1 段階の令和 8 年(2026 年)4 月 1 日からは、現行の換算方法による本数の 2 分の 1 と、新しい換算方法による本数の 2 分の 1 とを合計した本数が課税標準となります。つまり、新方式が 5 割だけ反映された状態です。
そして第 2 段階の令和 8 年(2026 年)10 月 1 日からは、新しい換算方法による本数が 10 割、すなわち全面的に適用されます。したがって、加熱式たばこの税負担という観点では、2026 年 10 月 1 日が新方式への移行が完了するタイミングということになります。
- 〜2026 年 3 月 31 日:現行の換算方法
- 2026 年 4 月 1 日〜9 月 30 日:現行換算 × 2 分の 1 + 新換算 × 2 分の 1(5 割適用)
- 2026 年 10 月 1 日〜:新換算 × 10 割(全面適用)
このように段階を分けているのは、税負担の変化を一度に生じさせず、市場や消費者への影響をならすためと考えられます。実際に 2026 年 4 月にも加熱式たばこを中心とした価格改定が行われており、2026 年 10 月の第 2 段階でも同様に各社が価格改定を検討することが見込まれますが、その内容は各社の発表によります。
銘柄別の値上げ額は「各社の発表」を確認してください
ここが本記事で最も強調したい点です。税制改正で決まるのは「税額の計算方法」であって、店頭で売られる製品の価格そのものではありません。製造たばこの小売定価は、たばこ事業法第 33 条により、品目ごとに一の小売定価を定めて財務大臣の認可を受ける必要があります。さらに同法第 36 条第 1 項により、小売販売業者は認可に係る小売定価によらなければ製造たばこを販売してはならないとされています。
つまり、実際にいくらになるかは、各たばこ会社が財務大臣に小売定価の認可申請を行い、それが認可されて初めて確定します。税額の増加分がそのまま価格に転嫁されるとは限らず、製品ごと・銘柄ごとに改定幅は異なり得ます。本記事では、2026 年 10 月 1 日以降の銘柄別の具体的な値上げ額および改定後の小売価格を断定しません。
- 税制改正で決まるのは税額の計算方法
- 小売定価はたばこ事業法第 33 条により品目ごとに財務大臣の認可が必要
- 同法第 36 条第 1 項により、認可された小売定価以外での販売はできない
- 銘柄別の改定額は各社の認可申請・発表を確認してください
- 本記事では銘柄別の値上げ額・改定後価格を断定しません
現時点で公表されている価格水準の目安については、日本のたばこ価格と購入ガイド で整理しています。加熱式たばこの銘柄・デバイスごとの違いや、使用できる場所のルールについては IQOS・glo・Ploom の加熱式たばこガイド をご覧ください。いずれも価格は改定されるため、最新の小売価格は各社公式および販売店でご確認ください。
2027 年以降:紙巻たばこのたばこ税率引上げ(3 段階)
加熱式たばこの換算方法見直しに続いて、紙巻たばこについても国のたばこ税率の引上げが予定されています。財務省「令和 7 年度税制改正の大綱」によると、紙巻たばこに係る国のたばこ税率は 1,000 本につき、本則税率 6,802 円から段階的に引き上げられ、最終的に 8,302 円となります。
- 本則税率:1,000 本につき 6,802 円
- 令和 9 年(2027 年)4 月 1 日:1,000 本につき 7,302 円
- 令和 10 年(2028 年)4 月 1 日:1,000 本につき 7,802 円
- 令和 11 年(2029 年)4 月 1 日:1,000 本につき 8,302 円
本則税率 6,802 円から最終的な 8,302 円まで、1,000 本あたり 1,500 円の引上げとなります。これは 1 本あたりに換算すると 1.5 円に相当します。20 本入りのパックであれば、税額ベースで 1 パックあたり 30 円分の引上げということになりますが、繰り返しになりますが、これがそのまま店頭価格の上昇幅になるとは限りません。小売定価は各社の認可申請によって決まります。
なお、このたばこ税の増収は、防衛力強化に係る財源確保のための税制措置の一環として位置づけられています。加熱式たばこの課税方式見直しによる増収分も、この財源確保の枠組みの中で扱われます。
訪日される方へ:日本のたばこ価格は今後上がる見込みです
日本を訪れる予定のある方は、日本のたばこ価格が今後数年にわたって段階的に上昇していく見込みであることを念頭に置いておくとよいでしょう。2026 年 10 月には加熱式たばこの新換算方式が全面適用され、2027 年 4 月・2028 年 4 月・2029 年 4 月には紙巻たばこのたばこ税率が段階的に引き上げられます。
ただし、これらはいずれも税額の話であり、旅行時点での実際の店頭価格は各社が財務大臣の認可を受けて定める小売定価によります。訪日時の正確な価格は、コンビニエンスストア・たばこ販売店の店頭表示、または各社の公式サイトでご確認ください。日本ではたばこの購入時に 20 歳以上であることの確認が求められ、パスポートが本人確認書類として使えます。
また、日本に持ち込む場合の免税範囲は税関の定めによります。免税範囲を超える場合は、到着時に税関で申告し関税等を納付する必要があります。免税範囲の詳細は税関公式でご確認ください。日本国内でニコチンを含む電子たばこ(リキッド)は医薬品医療機器等法(薬機法)の規制対象で、国内での販売は認められていません。
価格上昇を機に喫煙習慣を見直したい場合
価格の上昇をきっかけに、喫煙習慣そのものを見直したいと考える方もいらっしゃるかもしれません。日本では医療機関に禁煙外来が設けられている場合があり、また各自治体が健康相談の窓口を設けている場合があります。適否や具体的な内容については、医師・薬剤師などの専門家にご相談ください。本記事は特定の方法の効果を標榜するものではなく、また特定の製品・サービスを推奨するものでもありません。
一方で、喫煙を続ける場合は、法令と自治体のルールを守ることが前提になります。2020 年 4 月 1 日に全面施行された改正健康増進法により、多数の者が利用する施設の屋内は原則禁煙です。加えて、多くの自治体が路上喫煙に関する条例を定めており、違反者に過料を科す自治体もあります。喫煙する際は、指定された喫煙場所を利用してください。
モットスイタイで喫煙可能な場所を探す
税制がどう変わっても、たばこを使用できる場所のルールは改正健康増進法と各自治体の条例に従います。喫煙可能な場所を探したい場合は、モットスイタイのマップ から現在地周辺の喫煙所を一覧できます。日本のたばこ価格と購入方法については 日本のたばこ価格と購入ガイド、加熱式たばこの使用ルールについては IQOS・glo・Ploom の加熱式たばこガイド、自治体ごとの路上喫煙ルールと過料の違いについては 路上喫煙の過料ガイド をご覧ください。
おわりに:最新情報は財務省・国税庁の公式資料で
本記事は 2026 年 7 月時点で公表されている財務省「令和 7 年度税制改正の大綱」および国税庁の解説を一次情報源として整理した第三者による解説です。税制は今後の税制改正によって変更される可能性があります。制度の詳細、経過措置の適用関係、個別の課税関係については、必ず財務省(https://www.mof.go.jp/)および国税庁(https://www.nta.go.jp/)の公式資料でご確認ください。銘柄別の価格については各社の発表をご確認ください。個別の税務相談は税務署または税理士へご相談ください。
2026 年 10 月の加熱式たばこ税制改正を正しく理解する 4 ステップ
財務省・国税庁の一次情報をもとに、2026 年 10 月 1 日の加熱式たばこ税制第 2 段階と 2027 年以降の紙巻たばこ増税を理解する手順。
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ステップ 1
「換算方法の見直し」であることを理解する
2026 年 10 月 1 日に変わるのは加熱式たばこの課税標準(紙巻たばこへの換算方法)です。新方式は紙巻たばこ使用型が 0.35 グラムで 1 本、その他が 0.2 グラムで 1 本の換算です。
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ステップ 2
2 段階施行のスケジュールを押さえる
令和 8 年(2026 年)4 月 1 日から現行換算の 2 分の 1 + 新換算の 2 分の 1(5 割適用)、令和 8 年(2026 年)10 月 1 日から新換算の 10 割適用です。
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ステップ 3
価格は各社の発表で確認する
小売定価はたばこ事業法第 33 条により品目ごとに財務大臣の認可が必要です。銘柄別の改定額は各社の認可申請・公式発表をご確認ください。税額の増加分がそのまま価格になるとは限りません。
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ステップ 4
2027 年以降の紙巻たばこ増税も把握する
紙巻たばこの国のたばこ税率は 1,000 本につき、令和 9 年(2027 年)4 月に 7,302 円、令和 10 年(2028 年)4 月に 7,802 円、令和 11 年(2029 年)4 月に 8,302 円へ段階的に引き上げられます。
よくある質問
Q.2026 年 10 月にたばこは値上げされますか?
A.2026 年 10 月 1 日に実施されるのは、加熱式たばこの課税標準(紙巻たばこへの換算方法)の見直しの第 2 段階で、新換算方式が 10 割適用されます。これは税額の計算方法の変更であり、店頭価格そのものを直接決めるものではありません。製造たばこの小売定価はたばこ事業法第 33 条により品目ごとに財務大臣の認可が必要で、銘柄別にいくらになるかは各社の認可申請・発表によります。本記事では銘柄別の値上げ額を断定しません。
Q.加熱式たばこの新しい換算方法とはどのようなものですか?
A.財務省「令和 7 年度税制改正の大綱」によると、紙巻たばこを使用するタイプの加熱式たばこは 0.35 グラムをもって紙巻たばこ 1 本に換算し、その他のタイプは 0.2 グラムをもって紙巻たばこ 1 本に換算します。この新方式は令和 8 年(2026 年)4 月 1 日から 5 割(現行換算の 2 分の 1 + 新換算の 2 分の 1)が適用され、令和 8 年(2026 年)10 月 1 日から 10 割適用されます。詳細は国税庁の公式解説をご確認ください。
Q.なぜ 2 段階に分けて施行されるのですか?
A.財務省「令和 7 年度税制改正の大綱」では、令和 8 年 4 月 1 日に現行換算の 2 分の 1 + 新換算の 2 分の 1、令和 8 年 10 月 1 日に新換算の 10 割という 2 段階の適用が定められています。段階を分けることで税負担の変化を一度に生じさせない形になっています。改正の趣旨は、加熱式たばこと紙巻たばこの間の税負担差の解消とされています。
Q.紙巻たばこの増税はいつからですか?
A.財務省「令和 7 年度税制改正の大綱」によると、紙巻たばこに係る国のたばこ税率は 1,000 本につき、本則税率 6,802 円から、令和 9 年(2027 年)4 月 1 日に 7,302 円、令和 10 年(2028 年)4 月 1 日に 7,802 円、令和 11 年(2029 年)4 月 1 日に 8,302 円へと 3 段階で引き上げられます。合計で 1,000 本あたり 1,500 円(1 本あたり 1.5 円相当)の引上げです。実際の小売価格は各社が認可を受けて定めます。
Q.IQOS や glo の値段は具体的にいくら上がりますか?
A.本記事では銘柄別の具体的な値上げ額を断定しません。製造たばこの小売定価はたばこ事業法第 33 条により品目ごとに財務大臣の認可が必要で、各社が認可申請を行い認可されて初めて確定するためです。税額の増加分がそのまま価格に転嫁されるとは限らず、製品ごとに改定幅は異なり得ます。各社の公式発表をご確認ください。
