禁煙ルームで喫煙するとどうなる?違約金・特別清掃料の実例 2026(公式規約で確認)
目次
はじめに:本記事の前提と免責
本記事は、各ホテルが公式サイトで公開しているお知らせ・規約と、厚生労働省の受動喫煙対策サイトを一次情報源として、2026 年 8 月 18 日時点で確認できた内容だけを整理した第三者によるガイドです。金額や運用は宿ごとに異なり、予告なく変更されることがあります。本記事は特定の宿泊契約における請求の可否や金額の妥当性について判断を示すものではなく、法的な助言でもありません。個別の事案でお困りの場合は、宿泊約款・利用規約をご確認のうえ、お住まいの自治体の消費生活センター等の公的な相談窓口や専門家にご相談ください。また、本記事は喫煙を推奨するものではありません。
なぜ「清掃代」より高くなるのか
禁煙ルームでの喫煙が問題になるのは、汚れや灰の掃除だけでは済まないためです。においはカーテン、カーペット、壁紙、寝具、空調のフィルターに残り、通常の清掃で戻しきれない場合、専門的な消臭処理が必要になります。その処理をしている間、その客室は販売できません。京急 EX インが請求項目を「部屋の売止補償及び特別清掃費」という 2 本立てで説明しているのは、この構造をそのまま反映したものです(出典: https://www.keikyu-exinn.co.jp/contents/info/detail/?id=1074)。ホテル日航関西空港も、清掃と客室の損害賠償という 2 つの要素で 50,000 円という金額を示しています(出典: https://www.nikkokix.com/en/news/8003)。つまり「灰皿がわりにゴミ箱を使わなければ大丈夫」といった話ではなく、においが残った時点で費用が発生する、という考え方です。
公式に金額を明記している宿の実例
- 京急 EX イン/京急 EX ホテル:「禁煙ルーム内での喫煙行為、または吸い殻が確認された場合は、部屋の売止補償及び特別清掃費として 3 万円を請求させていただきます」(2025 年 3 月 11 日掲載・出典: https://www.keikyu-exinn.co.jp/contents/info/detail/?id=1074)
- ホテル日航関西空港:客室内での喫煙または吸い殻が確認された場合、清掃および客室の損害賠償として合計 50,000 円を請求する旨を英語で案内(出典: https://www.nikkokix.com/en/news/8003)
- 上記はいずれも各社が公式に金額を公開している例です。金額を規約に明記していない宿もあり、その場合は実費や約款に基づいて算定されることがあります
- 本記事では、公式に金額を確認できた宿以外の金額は記載していません。「相場」は宿によって大きく異なるため、宿泊する施設の規約でご確認ください
重要なのは、金額そのものよりも「どの宿にも同じルールがあるとは限らない」という点です。前に泊まった宿で何も言われなかったから今回も大丈夫、という推測は成り立ちません。予約確認メールやチェックイン時に渡される案内、客室内のインフォメーションに、禁煙ルームでの喫煙に関する記載があるかを確認する習慣をつけておくと確実です。
加熱式・電子タバコもベランダも、扱いは同じ
京急 EX インのお知らせは「禁煙ルーム内での喫煙(電子・加熱式タバコ含む)および吸い殻の持ち込みを固くお断りしております」と、対象を明示的に電子・加熱式まで広げています(出典: https://www.keikyu-exinn.co.jp/contents/info/detail/?id=1074)。加熱式タバコや電子タバコでも、においの成分は室内に残ります。禁煙ルームでの使用が禁じられている宿は多く、対象範囲を明記していない宿であっても、禁煙ルームで使ってよいと解釈するのは危険です。判断に迷う場合はフロントに確認してください。
ベランダやバルコニーは客室の一部として扱われるのが一般的で、禁煙ルームに付属するベランダも禁煙とされることがほとんどです。窓を開けて外に向かって吸う、換気扇の下で吸う、浴室で吸う、といった行為も、においが室内に残る以上は同じ問題を生みます。さらに、上下左右の客室へ煙やにおいが流れ、他の宿泊者からの苦情につながります。喫煙は、館内に喫煙室がある場合はそこで、無い場合は屋外の指定喫煙所で行ってください。
法令の背景:ホテルの屋内は原則禁煙
2020 年 4 月 1 日に全面施行された改正健康増進法により、多数の利用者がいる施設の屋内は原則禁煙です。ロビー・廊下・レストランなどの共用部で喫煙するには、基準を満たした喫煙室が必要で、喫煙可能な設備を持つ施設には指定された標識の掲示が義務づけられています。20 歳未満は喫煙を目的としない場合であっても喫煙エリアへ一切立ち入れません(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/point/)。客室をどう扱うかは各施設が自らのルールとして定めており、禁煙ルームで喫煙した場合の費用請求は、宿泊約款・利用規約に基づく施設側の対応として案内されています。
トラブルを避ける組み立て方
- 予約時に喫煙ルームの有無を確認する。リクエスト=確約ではない場合があるため、チェックイン前に再確認する
- 喫煙ルームが取れなかった場合に備え、館内の喫煙室と屋外の指定喫煙所の位置をチェックイン時にフロントで確認する
- 客室内のインフォメーションと予約確認メールで、禁煙ルームでの喫煙に関する記載を読んでおく
- 灰皿が置かれていない部屋は禁煙ルームである可能性が高い。灰皿の有無を判断材料のひとつにする
- 深夜も出入りできる喫煙所があるかを確認しておく(施錠される屋上・中庭がある施設もある)
- 携帯灰皿を持ち歩き、屋外の喫煙所に灰皿がない場合に備える
宿の周辺で使える喫煙所は モットスイタイの喫煙所マップ で事前に確認できます。喫煙ルームを取る手順は 日本のホテルで喫煙ルームを予約する方法、国際ブランドの状況は ヒルトン系ホテルの喫煙ルーム事情、温泉宿は 温泉旅館の喫煙ルームの探し方 にまとめています。
請求を受けたときにできること
請求内容に疑問がある場合は、まず宿泊約款・利用規約と、公式サイトに掲示されている案内を確認してください。請求の根拠となる条項がどこにあるか、金額の内訳がどうなっているかを確かめるのが出発点です。それでも納得できない場合は、お住まいの自治体の消費生活センター等の公的な相談窓口や、専門家にご相談ください。本記事は法的な助言を行うものではなく、個別の請求の当否について判断を示すものではありません。
関連記事と地図で、次の宿泊に備える
カプセルホテルやホステルは客室タイプでの判断ができないため、確認方法が変わります。詳しくは カプセルホテル・ホステルの喫煙事情 をご覧ください。スキー旅行の宿については スキーリゾートの喫煙ルール、温泉地の街歩きは 道後温泉・松山の喫煙ルール が参考になります。法令の全体像は 改正健康増進法の解説 にまとめています。
おわりに:予約の段階で決着をつける
禁煙ルームでの喫煙をめぐるトラブルのほとんどは、「喫煙ルームが取れなかった」「屋外の喫煙所が遠かった」「深夜に出るのが面倒だった」という、予約と滞在計画の段階で解決できたはずの事情から生まれています。数万円の請求と、宿や他の宿泊者との気まずいやりとりを避ける最も確実な方法は、予約の段階で喫煙ルームの有無と周辺の喫煙所を押さえておくことです。金額や運用は宿によって異なり変更もあるため、最新は必ず宿泊先の公式情報でご確認ください。
禁煙ルームでのトラブルを予約段階で防ぐ 5 ステップ
違約金・特別清掃料の請求と、宿や他の宿泊者とのトラブルを避けるための予約・滞在の組み立て方。
- 1
ステップ 1
予約時に喫煙ルームの有無を確認する
予約サイトや公式サイトで喫煙の客室タイプがあるかを確認します。見当たらない場合は全室禁煙の可能性が高いため、施設に直接問い合わせます。
- 2
ステップ 2
リクエストが確約かをチェックイン前に再確認する
喫煙ルームのリクエストが確約とは限らないため、チェックイン前に確約状況を確認し、取れない場合の代替手段を決めておきます。
- 3
ステップ 3
館内の喫煙室と屋外喫煙所の位置をフロントで聞く
チェックイン時に、館内に喫煙室があるか、屋外の指定喫煙所はどこか、深夜も利用できるかを確認します。
- 4
ステップ 4
宿泊先の規約で費用の定めを読んでおく
予約確認メール・客室内のインフォメーション・公式サイトのお知らせで、禁煙ルームでの喫煙に関する費用の定めを確認します。
- 5
ステップ 5
周辺の喫煙所を地図で押さえ、携帯灰皿を持つ
モットスイタイの喫煙所マップで宿の周辺にある喫煙所を事前に確認し、携帯灰皿を用意します。禁煙の客室・ベランダでは加熱式を含め使用しません。
よくある質問
Q.ホテルの禁煙ルームで喫煙すると、いくら請求されますか?
A.宿によって異なります。公式に金額を明記している例として、京急 EX インは「部屋の売止補償及び特別清掃費として 3 万円」(出典: https://www.keikyu-exinn.co.jp/contents/info/detail/?id=1074)、ホテル日航関西空港は清掃と客室の損害賠償として合計 50,000 円(出典: https://www.nikkokix.com/en/news/8003)と案内しています。金額を明記していない宿もあるため、宿泊先の規約でご確認ください。
Q.加熱式タバコや電子タバコなら禁煙ルームで使えますか?
A.使えないと考えてください。京急 EX インは「禁煙ルーム内での喫煙(電子・加熱式タバコ含む)および吸い殻の持ち込みを固くお断りしております」と明記しています(出典: https://www.keikyu-exinn.co.jp/contents/info/detail/?id=1074)。においの成分は室内に残ります。館内の喫煙室か屋外の指定喫煙所をご利用ください。
Q.禁煙ルームのベランダやバルコニーなら吸ってもよいですか?
A.いいえ。ベランダ・バルコニーは客室の一部として扱われるのが一般的で、禁煙ルームに付属する場合は禁煙とされることがほとんどです。窓を開けて吸う、換気扇の下で吸う、浴室で吸うといった行為も、においが室内に残るため同じ扱いになります。
Q.なぜ清掃費だけでなく補償まで請求されるのですか?
A.においがカーテン・カーペット・寝具・空調に残ると専門的な消臭処理が必要になり、その間その客室を販売できないためです。京急 EX インは請求項目を「部屋の売止補償及び特別清掃費」と説明しています(出典: https://www.keikyu-exinn.co.jp/contents/info/detail/?id=1074)。
Q.請求に納得できない場合はどうすればよいですか?
A.まず宿泊約款・利用規約と公式サイトの案内で、請求の根拠となる条項と金額の内訳を確認してください。それでも納得できない場合は、お住まいの自治体の消費生活センター等の公的な相談窓口や専門家にご相談ください。本記事は法的な助言を行うものではありません。
