通学路・公園でのタバコが気になるときは【2026】条例の調べ方と相談までの流れ
目次
はじめに:本記事の前提と免責
本記事は、e-Gov 法令検索の健康増進法(https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000103)および同法施行規則(https://laws.e-gov.go.jp/law/415M60000100086)、二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律(https://laws.e-gov.go.jp/law/133AC1000000033)、厚生労働省「なくそう!望まない受動喫煙。」(https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/point/)、および 2026 年 8 月 18 日時点で公式サイトに掲載を確認できた自治体の情報をもとに、第三者の立場で整理したものです。特定の学校・施設・喫煙所・個人について問題があると指摘するものではなく、個別の事案に法的な結論を示すものでもありません。条例は改正されるため、実際の適用範囲は必ずお住まいの都道府県・市区町村の公式サイトでご確認ください。個別のご事情は自治体の窓口や専門家にご相談ください。本記事は喫煙を推奨するものではありません。
学校の敷地内は「第一種施設」として敷地内禁煙
改正健康増進法(2020 年 4 月 1 日全面施行)では、学校・病院・児童福祉施設・行政機関などが「第一種施設」に区分され、敷地内禁煙となります。第二種施設(飲食店・事務所等)と違い、屋内に喫煙専用室等の設備を設けることができません。また、喫煙可能な設備を持つ施設には指定された標識の掲示が義務づけられ、20 歳未満は喫煙を目的としない場合であっても喫煙エリアへ一切立ち入れません(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/point/)。
ただし「敷地内禁煙」には、法律上ひとつだけ例外の枠組みがあります。健康増進法 28 条 13 号が定める「特定屋外喫煙場所」です。これは第一種施設の屋外の場所の一部のうち、その施設の管理権原者によって区画され、厚生労働省令で定めるところにより喫煙をすることができる旨の標識の掲示など、受動喫煙を防止するために必要な措置がとられた場所を指します(出典: e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000103)。同法施行規則 15 条 2 項は、その措置として「喫煙をすることができる場所である旨を記載した標識を掲示すること」「第一種施設を利用する者が通常立ち入らない場所に設置すること」を挙げています(出典: e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/415M60000100086)。つまり、設けられる場合でも「区画されていること」「標識があること」「利用者が通常通らない場所であること」が前提になっています。
通学路や公園は「条例の領域」
学校の敷地を一歩出た通学路や、地域の公園については、国の法律で一律に喫煙を禁止する規定はありません。健康増進法 27 条 1 項は「何人も、(中略)喫煙禁止場所以外の場所において喫煙をする際、望まない受動喫煙を生じさせることがないよう周囲の状況に配慮しなければならない」と定めていますが(出典: e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000103)、これは配慮を求める規定で、直接の罰則を伴う形にはなっていません。
実際に道路や公園での喫煙を禁止しているのは、都道府県や市区町村の条例です。路上喫煙に関する条例は、指定都市 20 市すべてと東京 23 区すべてが制定していますが、罰則を置く条例と置かない条例の両方があり、内容も一様ではありません(出典: 一般財団法人地方自治研究機構 https://www.rilg.or.jp/htdocs/img/reiki/087_smoking_on_the_street.htm、令和 7 年 12 月 3 日更新)。「隣の市では禁止されていたのに、こちらでは表示がない」ということが起こるのはこのためです。
通学路を明記した条例の例(兵庫県)
都道府県レベルで通学路に触れた条例の例として、兵庫県の「受動喫煙の防止等に関する条例」があります。同条例は令和 2 年 4 月 1 日に全面施行され、「通学時間帯における通学路のほか、祭礼、縁日その他の多数の者の集合する催しが行われている屋外の場所で 20 歳未満の者又は妊婦が現にいる場所及びその周囲」での喫煙を禁じています。また、学校・病院・児童福祉施設等の敷地の周囲においても喫煙をしてはならないと定めています(出典: 兵庫県 https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf17/zyudoukituenkaiseizyourei.html)。
ここで注意したいのは、同様の規定がすべての都道府県にあるわけではないという点です。兵庫県の条例をそのまま他県に当てはめることはできません。また、条例の違反に対してどのような措置がとられるか(指導・勧告・命令・過料など)も条例ごとに定めが異なるため、具体的な取り扱いは兵庫県および各自治体の公式ページでご確認ください。
自分の地域の条例を調べる手順
通学路や公園の扱いを確認するときは、「都道府県」と「市区町村」の 2 階建てになっている点を意識すると調べやすくなります。次の順序が実用的です。
- 都道府県の公式サイトで「受動喫煙 条例」と検索する。受動喫煙防止に関する独自条例を持つ都道府県では、屋外の特定の場所について定めがある場合があります
- 市区町村の公式サイトで「路上喫煙」「たばこ ルール」「環境美化」と検索する。禁止区域の地図や、指定喫煙場所の一覧が掲載されていることが多くあります
- 公園については、道路とは別に「公園条例」「公園の利用ルール」で定められている場合があるため、公園の管理者(自治体の公園担当課、都道府県立公園なら都道府県)も確認する
- 学校の敷地に隣接する場所については、学校(または教育委員会)が地域と協議して看板を設置している例もあるため、学校側の取り組みも確認しておく
- 条例で禁止されていない地域でも、健康増進法 27 条 1 項の配慮義務は全国どこでも適用されます
自治体別の禁止区域と過料の額をまとめて確認したい場合は 自治体別 路上喫煙ルールと過料一覧 が便利です。屋内を含む制度全体の整理は 改正健康増進法の解説 に、実際に相談窓口へ連絡する手順は 路上喫煙の相談窓口の探し方 にまとめています。
20 歳未満の喫煙は法律で禁止されている
通学路の話題では、大人の喫煙とは別に、20 歳未満本人の喫煙が心配されることがあります。この点は条例ではなく法律で明確に定められています。「二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律」1 条は「二十歳未満ノ者ハ煙草ヲ喫スルコトヲ得ス」と定め、3 条は親権を行う者が事情を知りながら喫煙を制止しなかったときは科料に処すとしています。4 条は、たばこや器具を販売する者に対し、20 歳未満の喫煙の防止に資するため年齢の確認その他の必要な措置を講じるものとすると定め、5 条は 20 歳未満の者が自分で使うものと知って販売した者を 50 万円以下の罰金としています(出典: e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/133AC1000000033)。
あわせて、改正健康増進法により 20 歳未満は喫煙エリアそのものへの立入りが禁止されています(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/point/)。これは客としても従業員としても同じ扱いで、喫煙を目的としない立ち入りも認められていません。
気になるときの相談の流れ
通学路や公園での喫煙が気になる場合、その場で個人が注意する必要はありません。条例違反の確認や過料の徴収は、自治体の職員や委託された指導員の役割とされています。次のような順序で進めるのが現実的です。
- 場所(住所や目印になる建物)、時間帯(登校時間帯・下校時間帯など)、頻度をメモにまとめる。個人を特定する情報は不要です
- 市区町村の路上喫煙・環境美化の担当課へ電話または相談フォームで伝える。世田谷区のように専用のコールセンターを設けている自治体もあります
- 通学路であることを明確に伝える。看板や路面表示の設置、巡回時間帯の見直しといった具体的な対策につながりやすくなります
- 学校や PTA と情報を共有し、学校側から自治体へ働きかける経路も検討する。個人よりも学校・地域単位のほうが動きやすい場合があります
- 公園の場合は公園の管理者(自治体の公園担当課)にも伝える。道路とは所管が分かれていることがあります
- 「近くに指定喫煙所を設けてほしい」という要望を併せて出す。禁止だけでなく受け皿の整備を求めるほうが、結果として通学路から喫煙が離れる場合があります
子どもと一緒に確認しておきたいこと
通学路の安全を考えるうえでは、煙そのものだけでなく、火のついたたばこの高さが子どもの目線に近いことや、吸い殻が落ちている場所を通ること自体も気になる点として挙がります。家庭では、「歩いている人のたばこには近づかない」「落ちている吸い殻は拾わない(大人に知らせる)」「困ったら学校や家の人に伝える」といった具体的な行動を共有しておくと、子ども自身が対応しやすくなります。
同時に、喫煙している人を子どもが責める立場に立たされないよう配慮することも大切です。ルールを守って吸える場所が地域に整っていないために、結果として通学路で吸われているという構図もあります。「悪い人がいる」ではなく「ルールと場所の問題である」と説明するほうが、子どもにとっても納得しやすい整理です。
おわりに:ルールを知ることと、吸える場所があること
通学路や公園での喫煙は、条例の内容を確認したうえで自治体に事実情報を伝えるのが最も現実的な道筋です。あわせて、地域のどこに指定喫煙所があるかを知っておくと、通学ルートを煙から少し離して組み直したり、来客に案内したりすることができます。位置は モットスイタイの喫煙所マップ で確認できます。喫煙所という設備がなぜ必要とされるのかという背景は 「分煙インフラ」という考え方、吸い殻の散乱が気になる場合は ポイ捨てと条例のしくみ、屋外での基本的な配慮は 喫煙マナーの基本 も合わせてご覧ください。
通学路・公園の喫煙ルールを調べて相談するまでの 5 ステップ
都道府県と市区町村の 2 階建てになっている条例を確認し、事実情報を整理して自治体へ相談するまでの実務的な手順。
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ステップ 1
場所の区分を確認する
気になる場所が学校の敷地内なのか、敷地外の道路・公園なのかを整理します。学校・病院などの第一種施設の敷地内は改正健康増進法により敷地内禁煙で、敷地外は条例の領域になります。
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ステップ 2
都道府県の条例を調べる
都道府県公式サイトで「受動喫煙 条例」と検索します。独自条例を持つ都道府県では、屋外の特定の場所について定めがある場合があります。兵庫県は通学時間帯の通学路等での喫煙を禁じています。
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ステップ 3
市区町村の条例と禁止区域を調べる
市区町村公式サイトで「路上喫煙」「たばこ ルール」と検索し、禁止区域の地図・罰則の有無・指定喫煙場所の一覧を確認します。公園については公園担当課の定めも別途確認します。
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ステップ 4
事実情報を整理して担当課へ相談する
場所、時間帯(登下校時間帯など)、頻度をメモにまとめ、市区町村の担当課へ電話または相談フォームで伝えます。個人を特定する情報は不要で、通学路である旨を明確にすると対策につながりやすくなります。
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ステップ 5
受け皿の整備も併せて要望する
「近くに指定喫煙所を設けてほしい」という要望も同時に伝えます。禁止の強化だけでなく吸える場所の整備を求めるほうが、結果として通学路から喫煙が離れやすくなる場合があります。
よくある質問
Q.通学路での喫煙は法律で禁止されていますか?
A.全国一律に禁止する法律はありません。健康増進法 27 条 1 項は喫煙禁止場所以外での喫煙時の配慮義務を定めていますが(出典: e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000103)、通学路そのものの扱いは都道府県・市区町村の条例によります。兵庫県の条例は「通学時間帯における通学路」等での喫煙を禁じていますが(出典: 兵庫県 https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf17/zyudoukituenkaiseizyourei.html)、同様の規定がすべての地域にあるわけではありません。
Q.学校の敷地内でタバコを吸うことはできますか?
A.学校は改正健康増進法の第一種施設にあたり敷地内禁煙で、屋内に喫煙室等を設けることはできません(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/point/)。屋外については、管理権原者が区画し標識を掲示するなどの措置をとった「特定屋外喫煙場所」の枠組みが法律上ありますが、施行規則により「利用者が通常立ち入らない場所に設置すること」が求められています(出典: e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/415M60000100086)。
Q.公園でタバコを吸うのは禁止されていますか?
A.自治体によって異なります。世田谷区は道路・公園では指定喫煙場所を除き喫煙をしてはならないものとし(出典: https://www.city.setagaya.lg.jp/01101/4803.html)、渋谷区は道路・公園を含む屋外公共の場所での喫煙を禁止し 2,000 円の過料の対象としています(出典: https://www.city.shibuya.tokyo.jp/kankyo/machi-seiso/kitsuen/rozyoukituen.html)。公園は道路と所管が分かれる場合があるため、公園の管理者にも確認してください。
Q.通学路での喫煙が気になるとき、自分で注意すべきですか?
A.その場で直接注意する必要はありません。条例違反の確認や過料の徴収は自治体の職員や委託された指導員の役割です。場所・時間帯・頻度を整理して市区町村の担当課に伝えるほうが、看板の設置や巡回時間帯の見直しといった対策につながりやすくなります。学校や PTA を通じて伝える経路もあります。
Q.20 歳未満の喫煙についてはどう定められていますか?
A.「二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律」1 条が 20 歳未満の喫煙を禁じ、5 条は 20 歳未満の者が自分で使うと知って販売した者を 50 万円以下の罰金としています(出典: e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/133AC1000000033)。さらに改正健康増進法により、20 歳未満は喫煙を目的としない場合でも喫煙エリアへ立ち入ることができません(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/point/)。
