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トップコラム採用選考で喫煙の有無を聞いてよい?【2026】公正な採用選考の考え方と、応募者・企業の留意点

採用選考で喫煙の有無を聞いてよい?【2026】公正な採用選考の考え方と、応募者・企業の留意点

働き方・人間関係法律ルール

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モットスイタイ編集部

執筆:モットスイタイ編集部

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日本全国の喫煙所情報を 2025 年から運営し、ユーザー投稿と公的データを照合して全国の喫煙所マップを公開しています。改正健康増進法・路上喫煙禁止条例・各自治体ルールの最新情報を継続的に確認しています。

公開日:
2026-08-27
最終レビュー:
2026-08-18
目次
  1. 1.はじめに:本記事の前提と免責
  2. 2.まず前提:職場で「どこで吸えるか」は法律で枠組みが決まっている
  3. 3.「喫煙の有無を聞くこと」を直接禁じる規定は確認できない
  4. 4.厚生労働省が示す「公正な採用選考」の 2 つの基本
  5. 5.「就職差別につながるおそれがある 14 事項」に喫煙は入っていない
  6. 6.企業側には「受動喫煙防止措置の明示」が求められている
  7. 7.応募者の立場で押さえておきたいこと
  8. 8.採用する側が整理しておきたい論点
  9. 9.判断に迷ったときの相談先
  10. 10.おわりに:「聞けるか」より「説明できるか」

この記事の要点

採用選考で応募者に喫煙の有無を尋ねることを直接禁止する規定は、公開されている法令・公的資料からは確認できませんでした。一方で厚生労働省は、公正な採用選考の基本的な考え方として「応募者の基本的人権を尊重すること」「応募者の適性・能力に基づいた基準により行うこと」の 2 点を挙げ、「適性と能力に関係のない事項を応募用紙に記載させたり、面接で尋ねることなどによって把握しないようにすることが重要」としています(出典: 厚生労働省「公正な採用選考の基本」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/newpage_56780.html)。同ページが挙げる「就職差別につながるおそれがある 14 事項」に喫煙の有無は列挙されていません。つまり、14 事項に載っていないから自由に聞いてよいという話でも、聞いた時点で違法という話でもなく、「その質問が応募者の適性・能力の判断にどうつながるのか」を説明できるかが実務上の分かれ目になります。逆に企業側には、募集・求人の申込みにあたって就業の場所における受動喫煙を防止するための措置を明示することが求められています(出典: 厚生労働省「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」令和元年 7 月 1 日基発 0701 第 1 号 https://www.mhlw.go.jp/content/000524718.pdf)。本記事は一般的な整理であり、個別の事案について法的な結論を示すものではありません。判断に迷う場合は弁護士や都道府県労働局の総合労働相談コーナーにご相談ください。

はじめに:本記事の前提と免責

本記事は、厚生労働省「公正な採用選考の基本」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/newpage_56780.html)、同「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」(令和元年 7 月 1 日基発 0701 第 1 号 https://www.mhlw.go.jp/content/000524718.pdf)、および同「なくそう!望まない受動喫煙。」(https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/)を一次情報源として、2026 年 8 月時点で公開されている内容を第三者の立場で整理したものです。特定の企業の採用方針について評価するものではなく、個別の事案が適法か違法かという法的な結論を示すものでもありません。採用選考をめぐる具体的なご相談は、弁護士や都道府県労働局などの窓口をご利用ください。本記事は喫煙を推奨するものではありません。

まず前提:職場で「どこで吸えるか」は法律で枠組みが決まっている

採用の話に入る前に、職場の喫煙環境の前提を押さえておくと議論が整理しやすくなります。改正健康増進法は 2020 年 4 月 1 日に全面施行され、一般の事務所や工場・飲食店などの第二種施設は屋内が原則禁煙となりました。屋内で喫煙できるのは、要件を満たして設けられた喫煙専用室(喫煙のみ可・飲食不可)や指定たばこ専用喫煙室(加熱式たばこのみ可・飲食可)などに限られます。学校・病院・児童福祉施設・行政機関の庁舎などの第一種施設は原則として敷地内禁煙です(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/)。

さらに、職場における受動喫煙防止については、労働安全衛生法第 68 条の 2 が、事業者に対して屋内における労働者の受動喫煙を防止するための措置について努力義務を課している、と厚生労働省のガイドラインは説明しています(出典: 厚生労働省「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」https://www.mhlw.go.jp/content/000524718.pdf)。会社が喫煙環境について何らかの方針を持つこと自体は、この文脈の中にあります。ただし「方針を持つこと」と「採用選考で応募者個人の喫煙の有無を判断材料にすること」は別の論点です。

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「喫煙の有無を聞くこと」を直接禁じる規定は確認できない

インターネット上では「喫煙者を採用しないのは違法か」という問いがよく取り上げられます。この点について、採用選考で喫煙の有無を尋ねることや、喫煙の有無を採否の判断に用いることを直接禁止する規定は、公開されている法令・公的資料からは確認できませんでした。他方で「だから自由に扱ってよい」という結論を公的機関が示している資料も確認できていません。確認できるのは、あくまで次項の「公正な採用選考」の考え方です。

ここは断定を避けるべき領域です。個別の募集条件や質問が問題になるかどうかは、募集の内容・職務の性質・尋ね方・その後の取り扱いによって評価が変わり得ます。本記事の内容をもって「問題ない」「問題がある」と判断せず、実際に方針を決める場面では専門家に確認することをおすすめします。

厚生労働省が示す「公正な採用選考」の 2 つの基本

厚生労働省は、公正な採用選考の基本的な考え方として次の 2 点を挙げています(出典: 厚生労働省「公正な採用選考の基本」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/newpage_56780.html)。

  • 応募者の基本的人権を尊重すること
  • 応募者の適性・能力に基づいた基準により行うこと

そのうえで同省は、「適性と能力に関係のない事項を応募用紙に記載させたり、面接で尋ねることなどによって把握しないようにすることが重要」であり、把握してしまうと「結果としてどうしても採否決定に影響を与えることになってしまい、就職差別につながるおそれがあります」と説明しています。つまり判断の軸は「聞いてよい質問リストに載っているか」ではなく、「その事項が応募者の適性・能力に関係するといえるか」です。

「就職差別につながるおそれがある 14 事項」に喫煙は入っていない

同ページは、就職差別につながるおそれがある事項を 14 項目挙げ、3 つのグループに整理しています。(a) 本人に責任のない事項の把握として、本籍・出生地に関すること、家族に関すること、住宅状況に関すること、生活環境・家庭環境などに関すること。(b) 本来自由であるべき事項の把握として、宗教、支持政党、人生観・生活信条、尊敬する人物、思想、労働組合や学生運動などの社会運動、購読新聞・雑誌・愛読書に関すること。(c) 採用選考の方法として、身元調査などの実施、本人の適性・能力に関係ない事項を含んだ応募書類の使用、合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施です。

この 14 事項に「喫煙の有無」は列挙されていません。ただし (c) に「本人の適性・能力に関係ない事項を含んだ応募書類の使用」「合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施」が挙げられている点は、喫煙の有無の扱いを考えるうえでも参考になります。列挙されていないことをもって自由に扱ってよいと読むのではなく、上位の原則(適性・能力に基づく判断)に立ち返る、というのが同ページの構成から素直に読み取れる整理です。

企業側には「受動喫煙防止措置の明示」が求められている

応募者の喫煙の有無を尋ねることとは逆方向の話として、企業側には募集段階での情報開示が求められています。厚生労働省のガイドラインは、事業者は労働者の募集及び求人の申込みに当たっては、就業の場所における受動喫煙を防止するための措置に関する事項を明示すること、としており、明示する内容の例として次のようなものを挙げています(出典: 厚生労働省「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」https://www.mhlw.go.jp/content/000524718.pdf)。

  • 施設の敷地内又は屋内を全面禁煙としていること
  • 施設の敷地内又は屋内を原則禁煙とし、特定屋外喫煙場所や喫煙専用室等を設けていること
  • 施設の屋内で喫煙が可能であること

求人票のこの欄は、喫煙する人・しない人の双方にとって、応募前に環境を把握できる貴重な手がかりです。記載の読み解き方と、面接での確認の仕方は 転職先の喫煙環境の確認方法 で詳しく整理しています。敷地内禁煙の職場に応募する場合は、勤務地の周辺に指定喫煙所があるかを モットスイタイの喫煙所マップ で先に見ておくと、入社後の動き方の見当がつきます。

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応募者の立場で押さえておきたいこと

面接で喫煙について尋ねられた場合、その場で法的な当否を論じても話が前に進みにくいのが実情です。次のような整理をしておくと、落ち着いて対応しやすくなります。

  • 質問の意図を確かめる。「就業時間中の社内ルールの説明として伺ってよいですか」と返すと、設備・ルールの話に着地しやすくなります
  • 募集要項に非喫煙者であることが条件として明記されているかを確認する。書かれている場合と、面接で初めて出てきた場合とでは受け止め方が変わります
  • 求人票の受動喫煙防止措置の欄と、面接で説明された内容が食い違っていないかを確かめる
  • 労働条件に関わる重要な点は、口頭のやり取りだけでなく労働条件通知書などの書面で確認する
  • 対応に納得がいかない場合は、その場で結論を出さず、後述の公的な相談窓口に事実関係を整理して相談する

採用する側が整理しておきたい論点

採用担当の立場では、「喫煙の有無を条件にするかどうか」を感覚で決めるのではなく、次の順序で言語化しておくと、社内でも応募者に対しても説明がしやすくなります。まず、その条件が募集職種の適性・能力とどう結びつくのかを説明できるか。次に、同じ目的が別の手段(就業時間中のルールの明示、喫煙室の運用、動線の設計など)で達成できないか。最後に、条件を設けるなら募集要項の段階で明記し、選考の途中で持ち出さない、という点です。

職場の受動喫煙対策そのものを整えたい場合は、施設側でとれる手段が法令上いくつか用意されています。中小企業事業主向けの助成制度については 受動喫煙防止対策助成金のまとめ、職場の空気やにおいをめぐる日常的な調整については 職場のにおい問題の解きほぐし方 も参考にしてください。

判断に迷ったときの相談先

募集・採用に関する労働問題は、都道府県労働局や全国の労働基準監督署内などに設置されている「総合労働相談コーナー」で相談できます。厚生労働省によれば、同コーナーは解雇、雇止め、配置転換、賃金の引下げ、募集・採用、いじめ・嫌がらせ、パワハラなどのあらゆる分野の労働問題を対象としており、予約不要・無料で利用でき、全国 378 か所に設置されています。相談者のプライバシーの保護に配慮した相談対応を行うとされています(出典: 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html)。

個別の事案について法的な見通しが必要な場合は、弁護士にご相談ください。本記事は一般的な情報の整理であり、特定のケースについて法的助言を行うものではありません。

おわりに:「聞けるか」より「説明できるか」

採用選考で喫煙の有無を尋ねてよいかという問いに、法令が一行で答えを出しているわけではありません。確認できるのは、公正な採用選考の基本が「適性・能力に基づいた基準により行うこと」であり、適性・能力に関係のない事項を把握しないことが重要とされている、という点までです。企業も応募者も、「その情報が仕事の何につながるのか」を言葉にできるかどうかが、実務上の分かれ目になります。職場での日常的な折り合い方については 喫煙者と非喫煙者が気持ちよく働くための配慮、休憩の扱いについては タバコ休憩と公平性の整理 もあわせてご覧ください。

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採用選考で喫煙の有無が話題になったときの 5 ステップ

応募者・採用担当の双方が、事実確認から相談先までを順を追って整理するための手順。適法性の判断は専門家に委ねる前提で組み立てています。

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    ステップ 1

    募集要項の記載を確認する

    非喫煙者であることが条件として明記されているか、受動喫煙防止措置がどう書かれているかを確認します。書面に残っている条件と、面接で口頭で出てきた話を分けて把握しておきます。

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    ステップ 2

    質問の意図を設備・ルールの話に置き換える

    「就業時間中の社内ルールの説明として伺ってよいですか」と返すと、個人の属性の話から、喫煙室の有無や敷地内禁煙かどうかという環境の話に着地しやすくなります。

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    ステップ 3

    「適性・能力との関係」を軸に整理する

    厚生労働省は公正な採用選考の基本として、応募者の適性・能力に基づいた基準により行うことを挙げています。採用側はその条件が職務の適性・能力とどう結びつくかを説明できるか確認します。

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    ステップ 4

    書面で条件を確認する

    労働条件に関わる点は口頭のやり取りだけで済ませず、労働条件通知書などの書面で確認します。求人票の記載と説明内容に食い違いがあれば、その場で確認しておきます。

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    ステップ 5

    納得できなければ公的窓口に相談する

    都道府県労働局や労働基準監督署内などにある総合労働相談コーナーは、募集・採用を含む労働問題を予約不要・無料で受け付けています。法的な見通しが必要な場合は弁護士にご相談ください。

よくある質問

Q.面接で喫煙の有無を聞かれたら違法ですか?

A.採用選考で喫煙の有無を尋ねること自体を直接禁止する規定は、公開されている法令・公的資料からは確認できませんでした。ただし厚生労働省は公正な採用選考の基本として「応募者の適性・能力に基づいた基準により行うこと」を挙げ、適性と能力に関係のない事項を面接で尋ねて把握しないようにすることが重要としています(出典: 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/newpage_56780.html)。個別の事案の評価は弁護士や都道府県労働局にご相談ください。

Q.「非喫煙者限定」の求人は問題ないのですか?

A.本記事では適法・違法の結論は示しません。確認できるのは、厚生労働省が公正な採用選考の基本として基本的人権の尊重と適性・能力に基づく判断の 2 点を挙げていること、および就職差別につながるおそれがある 14 事項に喫煙の有無が列挙されていないことです。実際に条件を設けるかどうかを検討する場合は、弁護士や都道府県労働局の総合労働相談コーナーにご相談ください。

Q.求人票で職場の喫煙環境は分かりますか?

A.厚生労働省のガイドラインは、事業者は募集・求人の申込みに当たって就業の場所における受動喫煙を防止するための措置に関する事項を明示することとしており、「敷地内又は屋内を全面禁煙」「原則禁煙とし特定屋外喫煙場所や喫煙専用室等を設けている」「屋内で喫煙が可能」といった例を挙げています(出典: https://www.mhlw.go.jp/content/000524718.pdf)。記載が見当たらない場合は応募前に募集元へお問い合わせください。

Q.就職差別につながるおそれがある 14 事項とは何ですか?

A.厚生労働省が挙げるもので、(a) 本人に責任のない事項(本籍・出生地、家族、住宅状況、生活環境・家庭環境)、(b) 本来自由であるべき事項(宗教、支持政党、人生観・生活信条、尊敬する人物、思想、労働組合など社会運動、購読新聞・雑誌・愛読書)、(c) 採用選考の方法(身元調査、適性・能力に関係ない事項を含む応募書類、合理的・客観的に必要性が認められない健康診断)の 3 グループに整理されています。

Q.採用選考のことで相談できる公的な窓口はありますか?

A.都道府県労働局や全国の労働基準監督署内などにある「総合労働相談コーナー」が、募集・採用を含むあらゆる分野の労働問題を対象としています。予約不要・無料で、全国 378 か所に設置され、相談者のプライバシーの保護に配慮した対応を行うとされています(出典: 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html)。

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