インドネシアと日本で違う喫煙ルール 7 つ 2026 — KTR と「屋内原則禁煙」はどう違うか
目次
はじめに:本記事の前提と免責
本記事は、日本側は厚生労働省「なくそう!望まない受動喫煙。」(https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/)および e-Gov 法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/)、インドネシア側はインドネシア保健省(Kementerian Kesehatan RI)の公開情報を一次情報源として、2026 年 8 月時点の制度を第三者の立場で整理したものです。インドネシアの KTR は国の政令に加えて州・県・市の条例(Peraturan Daerah)で細部が定められるため、本記事では罰則の金額など地域ごとに異なる事項の断定を避けています。詳細は各地方自治体の公式情報とインドネシア政府の法令ポータル(https://peraturan.go.id/)でご確認ください。特定の施設・店舗の喫煙可否について判断を示すものではなく、法的助言でもありません。本記事は喫煙を推奨するものではありません。
違い①:年齢の線引きが 21 歳と 20 歳で違う
インドネシアでは PP No. 28 Tahun 2024 の Pasal 434 ayat (1) に「Dilarang menjual kepada setiap orang di bawah usia 21 (dua puluh satu) tahun dan perempuan hamil」(21 歳未満の者および妊婦への販売を禁止する)と定められています(出典: インドネシア保健省 https://kemkes.go.id/id/tekan-konsumsi-perokok-anak-dan-remaja)。
日本では「二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律」により 20 歳未満の喫煙が禁止されています(出典: e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/)。さらに改正健康増進法では、20 歳未満の人は喫煙を目的としない場合であっても喫煙エリアへ一切立ち入れません。これは客だけでなく従業員にも適用されます(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/point/)。「入るだけならよい」という運用は日本にはありません。
違い②:KTR は「場所のリスト」、日本は「施設の種類」
インドネシアの KTR は、医療施設(fasilitas pelayanan kesehatan)、教育・学習の場(tempat proses belajar mengajar)、児童の遊び場(tempat anak bermain)、礼拝所(tempat ibadah)、公共交通機関(angkutan umum)などを対象として指定する仕組みです(出典: インドネシア保健省 https://kemkes.go.id/id/tekan-konsumsi-perokok-anak-dan-remaja)。
日本の改正健康増進法は、施設を 2 つの類型に分けます。学校・病院・児童福祉施設・行政機関などの第一種施設は敷地内禁煙で、屋内に喫煙室等の設備を設けることができません。飲食店・事務所・ホテルなど多数の人が利用するその他の施設は第二種施設として屋内が原則禁煙となり、要件を満たした喫煙室を設けた場合に限り、その室内で喫煙できます(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/)。「この場所は KTR か?」ではなく「この建物は第一種か第二種か、喫煙室はあるか」で考えるのが日本式です。
違い③:日本には喫煙室が 4 種類ある
日本の建物の中で標識を見たときに、部屋の名前が読めると迷いません。厚生労働省が整理している 4 類型は次のとおりです(出典: https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/smoking_room/)。
- 喫煙専用室:喫煙は可能、飲食は不可。一般的な事業者が設置できます。
- 加熱式たばこ専用喫煙室:加熱式たばこに限って喫煙が可能で、飲食も可能。一般的な事業者が経過措置として設置できます。
- 喫煙可能室:喫煙も飲食も可能。既存特定飲食提供施設(要件を満たす既存の小規模な飲食店)のみが経過措置として設置できます。
- 喫煙目的室:喫煙が可能で、主食を除く飲食も可能。喫煙目的施設に限定して設置できます。
- いずれの喫煙室に関しても 20 歳未満の方の立ち入りは禁止されています。
違い④:屋外・路上のルールが日本にはもう 1 層ある
これが最も見落とされやすい違いです。日本では、屋内の全国共通ルール(改正健康増進法)とは別に、市区町村がそれぞれの条例で屋外の路上喫煙を制限しています。条例で科せる過料の上限は地方自治法 14 条 3 項により 5 万円以下と定められており(出典: e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000067)、実際の金額は自治体ごとに異なります。
具体例を挙げると、東京都千代田区は皇居を除く区内全域を路上禁煙地区とし、過料の額を当面 2,000 円としています。規制の対象となるたばこは紙巻きたばこおよび加熱式たばこです(出典: 千代田区 https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/machizukuri/sekatsu/jore/jore.html)。大阪市は令和 7 年(2025 年)1 月 27 日から市内全域で路上喫煙を禁止し、違反者に 1,000 円の過料を徴収しています(出典: 大阪市 https://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/page/0000503379.html)。京都市は路上喫煙等対策強化区域内で 1,000 円の過料です(出典: 京都市 https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000027498.html)。
自治体ごとの金額と対象区域は 自治体別 路上喫煙ルールと過料一覧 に整理しています。実際に指導員に呼び止められたときの流れは 路上喫煙で過料を求められたときの手続き にまとめました。出かける前に吸える場所を確認したいときは モットスイタイの喫煙所マップ が使えます。
違い⑤:電子タバコ・加熱式たばこの位置づけ
インドネシアでは、PP No. 28 Tahun 2024 により電子タバコ(rokok elektronik)が紙巻きたばこと同様の扱いを受け、小売の制限・広告の制限・オンライン販売時の年齢確認などの規制対象となっています(出典: インドネシア保健省 https://kemkes.go.id/id/tekan-konsumsi-perokok-anak-dan-remaja)。
日本では、加熱式たばこについて「加熱式たばこ専用喫煙室」という独立した類型が改正健康増進法のなかに置かれています。この部屋は飲食が可能である点が喫煙専用室と異なります(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/smoking_room/)。一方で、屋外の路上喫煙条例では加熱式たばこを対象に含める自治体(千代田区など)と、条例上の「喫煙」の定義から外している自治体があり、扱いが分かれます。デバイスやリキッドの扱いについては VAPE・電子タバコのルール、機種ごとの事情は 加熱式タバコの解説 をご覧ください。
違い⑥:飲食店で吸える/吸えないの決まり方
日本の飲食店は第二種施設にあたり、屋内は原則禁煙です。それでも「たばこを吸いながら食事ができる店」があるのは、既存特定飲食提供施設に認められた「喫煙可能室」という経過措置と、喫煙目的施設に限定される「喫煙目的室」という 2 つの類型があるためです(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/smoking_room/)。新しく開業した一般的な飲食店では、この経過措置は使えません。
したがって「この店は吸えるかどうか」は、店の雰囲気や規模からは判断できません。必ず店頭の標識と店舗の公式情報でご確認ください。本記事は個別の店舗について喫煙の可否を断定するものではありません。
違い⑦:標識の掲示が法律で義務づけられている
日本では、喫煙可能な設備を持った施設に対して、指定された標識の掲示が義務付けられています(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/point/)。裏を返せば、標識が出ていない屋内空間は禁煙と考えるのが基本です。標識には「喫煙専用室」「加熱式たばこ専用喫煙室」「喫煙可能室」「喫煙目的室」といった部屋の名前が書かれています。
インドネシアの KTR でも、禁煙区域であることを示す表示は運用の基本になっています。ただし日本の場合は、標識のデザインと記載事項が法令で定められている点が特徴です。日本語が読めなくても、標識のマークと部屋の名前の 4 パターンさえ覚えておけば、ほとんどの場面で判断できます。
おわりに:見るべきものは「建物の標識」と「地面の表示」
まとめると、日本では屋内は標識を、屋外は地面の路面標示や案内看板を見る、というのが実践的な行動指針になります。日本で吸うときの全体像は インドネシア語の総合ガイド に、標識に書かれた日本語の読み方と現地での聞き方は 喫煙所を日本語で聞くフレーズ集 にまとめています。制度そのものの解説は 改正健康増進法の解説、マナーの基本は 喫煙マナーの基本 もあわせてご覧ください。
インドネシアから日本へ来る前後で確認する 5 ステップ
KTR の感覚のままだと見落としやすい、日本特有の確認ポイントを順番に整理しました。
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ステップ 1
滞在する市区町村の路上喫煙ルールを調べる
日本では屋外の規制が市区町村ごとに違います。滞在先の自治体公式サイトで、路上禁煙地区の範囲と過料の金額を確認しておきます。区域は路面標示や案内看板でも示されています。
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ステップ 2
入国時の持ち込み範囲を税関公式で確認する
たばこ製品の免税範囲は品目ごとに定められています。最新の数量は必ず税関公式サイト(https://www.customs.go.jp/kaigairyoko/menzei.htm)でご確認ください。20 歳未満は免税の対象外です。
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ステップ 3
喫煙室の 4 つの名前を覚える
「喫煙専用室」「加熱式たばこ専用喫煙室」「喫煙可能室」「喫煙目的室」の 4 類型が法律上の区分です。標識が出ていない屋内空間は禁煙と考え、標識を確認してから利用します。
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ステップ 4
宿泊先の客室の喫煙可否を予約時に確認する
ホテルは第二種施設にあたり、屋内は原則禁煙です。客室の扱いは施設ごとに異なるため、予約時に禁煙室か喫煙可の客室かを確認しておくとトラブルを避けられます。
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ステップ 5
移動前に最寄りの指定喫煙所を地図で確認する
駅前や繁華街は規制が厳しく、指導員が巡回しています。歩き始める前に、地図で最寄りの指定喫煙所と所要時間を把握しておくと、路上での判断に迷わずに済みます。
よくある質問
Q.インドネシアと日本では、たばこを買える年齢が違いますか?
A.異なります。インドネシアでは PP No. 28 Tahun 2024 の Pasal 434 ayat (1) により 21 歳未満の者と妊婦への販売が禁止されています(出典: インドネシア保健省 https://kemkes.go.id/id/tekan-konsumsi-perokok-anak-dan-remaja)。日本では 20 歳未満の喫煙が法律で禁止され(出典: e-Gov https://laws.e-gov.go.jp/)、改正健康増進法により 20 歳未満は喫煙エリアへ一切立ち入れません。
Q.日本の KTR にあたる仕組みは何ですか?
A.直接対応する制度はありません。日本では改正健康増進法が施設を第一種(学校・病院・行政機関等=敷地内禁煙)と第二種(飲食店・事務所・ホテル等=屋内原則禁煙)に分ける形をとっており、区域指定ではなく施設の種類で決まります(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/)。屋外の路上については、市区町村ごとの条例が別に規制しています。
Q.日本の路上でたばこを吸うと罰金がありますか?
A.自治体によります。条例で科せる過料の上限は地方自治法 14 条 3 項により 5 万円以下と定められており(出典: e-Gov https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000067)、実務上は 1,000 円から 2,000 円の設定が多く見られます。千代田区は当面 2,000 円、大阪市と京都市は 1,000 円です。訪問先の自治体公式サイトでご確認ください。
Q.電子タバコ(vape)は日本で自由に使えますか?
A.屋内は改正健康増進法により原則禁煙で、屋外は自治体条例の対象になる場合があります。また加熱式たばこには「加熱式たばこ専用喫煙室」という法律上の類型があります(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/smoking_room/)。製品の種類ごとの取扱いは異なるため、詳しくは VAPE・電子タバコに関する解説記事と、税関など公式情報をご確認ください。
Q.日本の飲食店では吸えますか?
A.原則として屋内は禁煙です。例外は、既存特定飲食提供施設に認められた「喫煙可能室」と、喫煙目的施設に限定される「喫煙目的室」の 2 類型に限られます(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/smoking_room/)。個別の店舗については、店頭の標識と店舗公式でご確認ください。
