禁煙のはずの店で喫煙されていたら?【2026】その場の対処と行政窓口の流れ
目次
はじめに:本記事の前提と免責
本記事は、厚生労働省「なくそう!望まない受動喫煙。」(https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/)、千葉県、東京都保健医療局、世田谷区の公式案内を一次情報源として、2026 年 8 月時点の制度と一般的な進め方を第三者の立場で整理したものです。個別の事案が法令に違反するかどうかを判断するものではなく、特定の店舗の運営を批判する目的もありません。法的な評価が必要な場合や、健康被害について相談したい場合は、自治体の窓口・保健所や、弁護士等の専門家にご相談ください。本記事は喫煙を推奨するものではありません。
まず確認:その店は「喫煙できる区分」を持っていないか
「禁煙のはずなのに」と感じた場面でも、実際にはその店が法令上の喫煙できる区分を備えている場合があります。屋内で喫煙できる場所には 4 つの区分があり、それぞれ吸えるもの・飲食の可否・設置できる施設が異なります(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/smoking_room/)。喫煙専用室は喫煙のみで飲食不可、加熱式たばこ専用喫煙室は加熱式に限り飲食も可、喫煙可能室は既存の小規模飲食店に認められた経過措置で客席で喫煙できる形があり得ます。喫煙目的室はシガーバー等の喫煙目的施設に限られます。
これらの施設には、施設の主たる出入口と喫煙室の出入口に指定された標識を掲示することが義務づけられています(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/point/)。まずは入口と店内の表示を見て、どの区分に当たるのかを確認してください。標識の名称と意味は、店の探し方をまとめた記事でも整理しています。
その場でできる自衛
煙が気になるとき、その場でとれる行動は限られています。無理に状況を変えようとするより、まず自分の側の選択肢を確保するほうが確実です。
- 席を移動できるか、スタッフに相談する。空席があれば入口や喫煙室から離れた席に替えてもらえることがあります
- 窓側・換気の近い席など、条件のよい席を希望として伝える
- 長居せず切り上げる。会計を早めに済ませるという選択も含めて考える
- 同席者に 20 歳未満がいる場合、喫煙エリアには立ち入れないため、席の位置に制約が出ることを店に伝える
- 次回に備えて、その店の区分(全面禁煙か、喫煙室があるか)を記録しておく
店舗に伝えるときの順序と言い方
喫煙している人に直接声をかけるより、店舗のスタッフに伝えるほうが、無用な対立を避けやすいという考え方があります。店内のルールを案内するのは本来お店の役割であり、客同士のやり取りにすると、どちらの側にも気まずさが残りやすいためです。
- 「禁煙のはずですよね」と問い詰める形ではなく、「煙が流れてきているので席を替えていただけますか」と、してほしいことを具体的に伝える
- 標識と実態が食い違っていると感じた場合は、店に確認する。届出の内容や店内の運用を把握しているのは店舗側です
- その場で解決しない場合は、後日、店舗の問い合わせ窓口に連絡するという方法もあります
- 感情的な表現や、他の客を巻き込む形での指摘は避ける
- 店舗側にも事情がある場合があるため、まずは事実の共有として伝える
改善されないときは自治体の窓口へ
店舗に伝えても状況が変わらない場合や、店舗に直接伝えにくい場合には、自治体が設けている相談窓口を利用する方法があります。東京都は受動喫煙対策相談窓口(電話 0570-069690、受付は月曜〜金曜の 9 時〜17 時 45 分)を設けています(出典: 東京都保健医療局 https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shisetsu/jigyosyo/hokenjyo/tamafuchu/kitsuen/dainishushisetsu)。区市町村が独自に窓口を持っている例もあり、世田谷区は受動喫煙相談コールセンター(電話 03-5432-2928、受付は平日 8 時 30 分〜12 時・13 時〜17 時 15 分)で、路上喫煙や歩きたばこ、受動喫煙などの相談を受け付けています(出典: 世田谷区 https://www.city.setagaya.lg.jp/01101/4803.html)。
窓口の名称・連絡先・受付時間は自治体によって異なり、変更されることもあります。お住まいの地域や、その店舗の所在地の自治体(保健所を含む)の公式ページで最新の案内をご確認ください。相談するときは、いつ・どの店舗で・どのような状況だったかを、分かる範囲で整理しておくと話が早くなります。
行政の対応は段階的に進む
相談したからといって、すぐに罰則が科されるわけではありません。厚生労働省の案内によると、義務違反に対しては指導・助言、勧告・公表・命令、過料が段階的に適用される仕組みになっています(出典: https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/point/)。千葉県の解説でも「指導等に従わない悪質なケースの場合、勧告・命令等を経て、罰則が適用されます」と説明されています(出典: 千葉県 https://www.pref.chiba.lg.jp/kenzu/tabako/jyudoukitsuen.html)。
つまり制度の設計としては、まず状況を改善してもらうことが目的で、罰則は改善されない場合の最終手段という位置づけです。相談は「店を罰するための手続き」ではなく、「適切な運用に戻してもらうための情報提供」と捉えるほうが、実態に近いと考えられます。
過料の対象になり得る義務違反
参考として、公式に示されている過料の上限額を整理します。金額はいずれも上限であり、実際の適用は個別の事情によります。
- 禁煙場所での喫煙: 30 万円以下の過料(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/point/)
- 喫煙室の出入口および施設の主たる出入口における標識の掲示義務に違反: 50 万円以下の過料(出典: 千葉県 https://www.pref.chiba.lg.jp/kenzu/tabako/jyudoukitsuen.html)
- 禁煙エリアに喫煙専用器具・設備を利用可能な状態で設置: 50 万円以下の過料(出典: 同上)
- 喫煙室の構造・設備を技術的基準に適合するよう維持する義務に違反: 50 万円以下の過料(出典: 同上)
- 喫煙可能室の資料備付義務違反、喫煙目的施設の帳簿に関する義務違反: いずれも 20 万円以下の過料(出典: 同上)
なお、紛らわしい標識の掲示や標識の汚損は禁止されています(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/point/)。個別のケースが違反にあたるかどうかの判断は行政が行うものであり、本記事はその判断を示すものではありません。
避けたほうがよい進め方
- 喫煙している人に直接強く注意する。その場の対立に発展し、本来の目的である環境の改善から遠ざかることがあります
- 事実関係が確定しない段階で、店名を挙げて SNS などに発信する。判断に迷う場合は、発信の前に専門家にご相談ください
- 店舗の写真や動画を無断で撮影・公開する。周囲の人が写り込む可能性もあります
- 「違法だ」と断定して詰め寄る。区分の判断は届出内容によるため、外から見て分からないこともあります
- 一度の相談で解決しないことを前提にせず、記録を残しながら段階的に進める
店先や路上での喫煙は別のルール
屋内ではなく店の前や路上で吸われている場合は、健康増進法の屋内規制ではなく、自治体の路上喫煙に関する条例や、喫煙をする際の配慮義務の話になります。自治体別のルールは 自治体別の路上喫煙と過料、店舗側から見た対応は 店先・入口前で吸われて困る店舗へ にまとめています。屋外の指定された喫煙場所の位置は モットスイタイの喫煙所マップ で確認できます。喫煙する人がどこへ行けばよいかが分かることは、煙を避けたい人にとっても、通るルートや待ち合わせ場所を選ぶ材料になります。
おわりに:対立ではなく、環境を戻すための手順として
禁煙のはずの場所で煙が気になったとき、目的は誰かを責めることではなく、その場の環境を制度どおりに戻すことにあります。手順としては、標識で区分を確認し、店舗に相談し、改善されなければ自治体の窓口へ、という順序が穏当です。店の選び方は 全席禁煙の店の探し方、標識の掲示義務の中身は 飲食店の喫煙標識 掲示義務ガイド、制度全体は 改正健康増進法の解説 をご覧ください。
禁煙のはずの店で煙が気になったときの 5 ステップ
標識の確認から店舗への相談、改善されない場合の自治体窓口まで、対立を避けながら進める手順。
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ステップ 1
入口と店内の標識を確認する
喫煙できる場所を設ける施設には、施設の主たる出入口と喫煙室の出入口に指定標識の掲示が義務づけられています。喫煙専用室・加熱式たばこ専用喫煙室・喫煙可能室・喫煙目的室のどれに当たるかを確認します。
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ステップ 2
その場の自衛を優先する
席を替えられるかスタッフに相談し、難しければ滞在を短くします。同席者に 20 歳未満がいる場合は喫煙エリアに立ち入れないため、その点も店に伝えます。
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ステップ 3
店舗スタッフに具体的な希望として伝える
「禁煙のはずですよね」と問い詰めるのではなく、「煙が流れてくるので席を替えていただけますか」と、してほしいことを伝えます。喫煙している人に直接注意する形は避けます。
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ステップ 4
状況を記録しておく
日時・店舗名・どのような状況だったか・店舗にどう伝えたかを、分かる範囲でメモに残します。後で相談する場合、事実関係を整理しておくと説明が短く済みます。
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ステップ 5
改善されない場合は自治体の窓口に相談する
所在地の自治体(保健所を含む)の公式ページで受動喫煙に関する相談窓口を確認し、記録した内容をもとに相談します。行政の対応は指導・助言から段階的に進みます。
よくある質問
Q.禁煙のはずの店で喫煙されていたら、どこに言えばよいですか?
A.まず店舗のスタッフに伝え、席の移動などの対応を相談するのが穏当です。改善されない場合は、自治体が設けている相談窓口を利用する方法があります。東京都は受動喫煙対策相談窓口(0570-069690)を設けており(出典: 東京都保健医療局 https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shisetsu/jigyosyo/hokenjyo/tamafuchu/kitsuen/dainishushisetsu)、区市町村が独自の窓口を持つ例もあります。窓口は地域ごとに異なるため、所在地の自治体の公式案内をご確認ください。
Q.相談したら、その店はすぐ罰則を受けるのですか?
A.いいえ。厚生労働省の案内によると、義務違反に対しては指導・助言、勧告・公表・命令、過料が段階的に適用されます(出典: https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/point/)。千葉県も「指導等に従わない悪質なケースの場合、勧告・命令等を経て、罰則が適用されます」と説明しています。まずは改善を促す仕組みです。
Q.禁煙場所で喫煙した場合の過料はいくらですか?
A.厚生労働省の案内では、禁煙場所での喫煙は 30 万円以下の過料、標識関連の違反や喫煙室の基準不適合は 50 万円以下の過料と示されています(出典: https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/point/)。いずれも上限額であり、適用は個別の事情によります。
Q.店に喫煙室があるのに、客席でも吸われている気がします。
A.屋内で喫煙できる区分は 4 種類あり、喫煙可能室や喫煙目的室では客席で喫煙できる形があり得ます(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/smoking_room/)。まずは入口と店内の標識でどの区分かを確認し、分からない場合は店舗にお尋ねください。外から見ただけでは判断できないことがあります。
Q.喫煙している人に直接注意してもよいですか?
A.店内のルールを案内するのは本来お店の役割です。客同士のやり取りにすると対立が生じやすく、本来の目的である環境の改善から遠ざかることがあります。スタッフに伝えて対応してもらう形のほうが、双方にとって負担が小さいという考え方があります。
