韓国と日本で違う喫煙ルール 7 つ【2026】飲食店・喫煙室・路上の考え方
目次
はじめに:本記事の前提と免責
本記事は、日本側は厚生労働省「なくそう!望まない受動喫煙。」(https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/)、韓国側は韓国保健福祉部の報道資料および法制処「探しやすい生活法令情報」(https://www.easylaw.go.kr/CSP/CnpClsMain.laf?csmSeq=908)を一次情報源として、2026 年 8 月時点の制度を整理したものです。両国の制度はいずれも受動喫煙を防ぐという同じ趣旨のもとで設計されており、本記事はどちらかの国の制度を優劣で評価するものではありません。個別の店舗・施設が喫煙できるかどうかを判断するものでもなく、最新の内容は必ず各国の公式情報でご確認ください。20 歳未満の喫煙は法律で禁じられています。本記事は喫煙を推奨するものではありません。
違い 1:飲食店に「例外」があるかどうか
韓国では 2015 年 1 月 1 日から、面積に関係なくすべての飲食店営業所が禁煙区域になりました。それまで一部のコーヒー専門店などで運営されていた喫煙席の特例期間も 2014 年末で終了し、以後は店内に喫煙席を設けることができなくなっています(出典: 韓国保健福祉部)。つまり韓国の感覚では「飲食店の中では吸えない」が原則として通ります。
日本の改正健康増進法も、飲食店を含む第二種施設の屋内を原則禁煙としています。ただし、2020 年 4 月 1 日の全面施行時点で既に営業していた小規模な飲食店(既存特定飲食提供施設)には経過措置があり、要件を満たせば「喫煙可能室」を設けられます。喫煙可能室では紙巻たばこを含む喫煙と飲食の両方が可能です(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/smoking_room/)。韓国から来た人が「なぜこの居酒屋では吸えるのか」と戸惑うのは、この経過措置の存在が理由です。
違い 2:喫煙室の中で飲食できるかどうか
韓国の禁煙区域に設ける喫煙室は、屋内と完全に遮断された密閉空間で、屋外へ排気する換気設備と喫煙室であることを示す標識が必要とされ、さらに灰皿など喫煙のための設備以外に、個人用コンピュータやテーブルなど営業に使う設備を置いてはならないとされています(国民健康増進法施行規則 第 6 条第 4 項および別表 2。出典: 法制処 https://www.easylaw.go.kr/CSP/CnpClsMain.laf?csmSeq=908)。構造上、飲み物や料理を持ち込んでゆっくり過ごす場所としては想定されていません。
- 喫煙専用室(日本):喫煙のみ可能で、飲食はできません
- 加熱式たばこ専用喫煙室(日本):加熱式たばこのみ可能で、飲食もできます(経過措置)
- 喫煙可能室(日本):紙巻たばこを含む喫煙と飲食が可能。既存特定飲食提供施設に限った経過措置です
- 喫煙目的室(日本):喫煙を主目的とする施設に限られ、主食を除く飲食が可能です
- 喫煙室(韓国):密閉・換気設備・標識が必要で、灰皿等以外の営業用設備は設置できません
日本側の 4 種類はいずれも 20 歳未満立入禁止で、施設には指定された標識の掲示が義務づけられています(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/)。逆に言えば、標識の種類を見分けられれば「その部屋で飲食できるか」もほぼ判断できます。
違い 3:屋外・路上のルールを決めているのは誰か
「길빵」(歩きながらの喫煙)の可否については、韓国も日本も、国の法律が全国一律に路上喫煙を禁じているわけではありません。韓国では国民健康増進法の委任を受けた自治体の条例で禁煙区域が指定され、たとえばソウル特別市では歩道のバス停周辺 10m、地下鉄出入口の周囲 10m、市が管理する都市公園などが禁煙区域とされています(出典: ソウル特別市 https://news.seoul.go.kr/welfare/archives/243465)。
日本も同様に、路上喫煙の規制は市区町村ごとの条例で決まります。禁止区域の範囲・違反時の過料の金額・巡回指導の有無は自治体ごとに異なるため、訪問先ごとに確認するのが確実です。自治体別の整理は 自治体別の路上喫煙と過料のまとめ にまとめています。実際に吸える場所を探すときは モットスイタイの喫煙所マップ で現在地の近くの指定喫煙所を確認しておくと、移動の途中で困りにくくなります。
違い 4:違反したときの枠組み
韓国では、禁煙区域で喫煙した人に 10 万ウォン以下の過怠料が科されると定められています(国民健康増進法 第 34 条第 3 項。出典: 法制処)。また、飲食店が店内での喫煙を認めた場合、営業者側に 170 万ウォンの過怠料が科されるとされています(出典: 韓国保健福祉部)。
日本の改正健康増進法では、喫煙禁止場所での喫煙に対して 30 万円以下の過料が定められており、施設の管理権原者が喫煙器具・設備の撤去や喫煙室の基準適合、標識の掲示といった義務に違反した場合は 50 万円以下の過料が定められています(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/point/)。これとは別に、路上喫煙禁止区域での違反には自治体条例に基づく過料が科される場合があります。金額や運用は自治体ごとに異なるため、お出かけ前に各自治体の公式情報をご確認ください。
違い 5:加熱式たばこの位置づけ
日本では加熱式たばこについて、専用の「加熱式たばこ専用喫煙室」という類型が経過措置として設けられており、その中では飲食もできます(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/smoking_room/)。紙巻たばこ用の喫煙専用室とは扱いが分かれているため、標識をよく見ないと「加熱式しか吸えない部屋」に紙巻を持ち込んでしまうことがあります。デバイス別の考え方は 加熱式たばこの日本でのルール で詳しく整理しています。喫煙室の標識そのものの見分け方は 喫煙所の標識・ピクトグラムの読み方 が参考になります。
違い 6:20 歳未満の立ち入り
日本では、20 歳未満の人は、たとえ喫煙を目的としない場合であっても喫煙エリアへ一切立ち入ることができません(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/)。これは客だけでなく従業員にも適用されます。家族連れで喫煙室のある店を利用する場合、未成年の同行者を喫煙室に連れて入ることはできない、という点は覚えておくと安心です。20 歳未満の喫煙は「二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律」により禁じられています(出典: e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/)。
違い 7:標識で判断する文化
日本では、喫煙できる設備を持つ施設に指定された標識の掲示が義務づけられています(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/)。裏を返せば、標識が出ていない店の屋内は原則禁煙と考えるのが基本です。韓国側でも喫煙室には標識の掲示が求められており、両国とも「表示を見て判断する」という設計思想は共通しています。日本語が読めない場合でも、標識のピクトグラムと「喫煙専用室」「加熱式たばこ専用喫煙室」「喫煙可能」といった文字の並びを覚えておくと、店頭で判断しやすくなります。
日本滞在中に困らないための実践ポイント
- 屋内は「原則禁煙、標識があれば例外」と覚える。標識のない店内では吸わない
- 喫煙可能室のある店は経過措置による例外であり、すべての飲食店で吸えるわけではない
- 「加熱式たばこ専用」の表示がある部屋に紙巻たばこを持ち込まない
- 路上は自治体ごとにルールが違う。移動先の市区町村の条例を事前に確認する
- 携帯灰皿を持ち歩き、吸い殻は必ず持ち帰るか灰皿へ入れる
- 学校・病院・行政機関などの第一種施設は敷地内禁煙で、屋外にも喫煙室を設けられません
おわりに:制度の趣旨は同じ、線の引き方が違う
韓国も日本も、受動喫煙を防ぐという目的は共通しています。違うのは「どこに例外を残したか」で、日本には既存の小規模飲食店向けの経過措置があり、韓国にはそれがない、という点が最も体感しやすい差です。日本の施設区分と喫煙室の全体像は 改正健康増進法の解説、飲食店での実際の見分け方は 居酒屋の喫煙事情 にまとめています。訪日全体の流れは 訪日客向け総合ガイド、他の国との比較は 台湾との違い、中国との違い、タイとの違い もあわせてご覧ください。
韓国から来日した喫煙者が日本のルールに合わせる 5 ステップ
出発前の確認から、店頭での標識の読み方、屋外での探し方までを順番に整理した手順です。
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ステップ 1
「屋内は原則禁煙」を前提にする
日本では多数の利用者がいる施設の屋内は原則禁煙です(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/)。標識が出ていない店内では吸わない、を出発点にすると迷いにくくなります。
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ステップ 2
店頭の標識で喫煙室の種類を確認する
喫煙専用室・加熱式たばこ専用喫煙室・喫煙可能室・喫煙目的室で、吸えるたばこの種類と飲食の可否が変わります。入口の標識を見て、自分のデバイスが対象かどうかを確認します。
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ステップ 3
滞在する市区町村の路上ルールを調べる
路上喫煙の規制は自治体条例で決まり、禁止区域も過料の金額も自治体ごとに異なります。訪問先の市区町村の公式サイトで、禁止区域の地図と指定喫煙所の位置を確認しておきます。
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ステップ 4
指定喫煙所の場所を地図で押さえておく
駅前・商業施設・公園などにある指定喫煙所の位置を、移動ルートに沿って事前に確認しておきます。移動中に探し始めると、禁止区域内で立ち止まってしまいやすくなります。
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ステップ 5
携帯灰皿を用意し、吸い殻を必ず持ち帰る
指定喫煙所に灰皿がない場合もあります。携帯灰皿を持ち歩き、吸い殻や包装は必ず持ち帰ります。20 歳未満の同行者は喫煙エリアに立ち入れない点にも注意してください。
よくある質問
Q.韓国では飲食店で吸えないのに、なぜ日本の居酒屋では吸える店があるのですか?
A.日本の改正健康増進法にも飲食店の屋内原則禁煙という枠組みはありますが、2020 年 4 月 1 日の全面施行時点で既に営業していた小規模な飲食店(既存特定飲食提供施設)には経過措置があり、要件を満たせば紙巻たばこを吸いながら飲食できる「喫煙可能室」を設けられます(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/smoking_room/)。すべての飲食店で吸えるわけではなく、店頭の標識で確認が必要です。
Q.日本の喫煙室では飲み物を持ち込めますか?
A.喫煙室の種類によります。喫煙専用室は喫煙のみで飲食できません。加熱式たばこ専用喫煙室と喫煙可能室は飲食が可能で、喫煙目的室は主食を除く飲食が可能とされています(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/smoking_room/)。韓国の喫煙室は灰皿等以外の営業用設備を置けないため、この点は大きく異なります。
Q.日本の路上ではどこでも吸えますか?
A.いいえ。日本には全国一律の路上喫煙禁止法はありませんが、多くの市区町村が条例で路上喫煙を禁じる区域を定めており、違反者に過料が科される場合があります。禁止区域も金額も自治体ごとに異なるため、お出かけ前に各自治体の公式情報をご確認ください。
Q.禁煙の場所で吸ってしまった場合、日本ではどうなりますか?
A.改正健康増進法では、喫煙禁止場所での喫煙に対して 30 万円以下の過料が定められています(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/point/)。これとは別に、路上喫煙禁止区域では自治体条例に基づく過料が科される場合があります。まずは標識を確認し、指定された喫煙場所を使うのが確実です。
Q.20 歳未満の家族を喫煙室に連れて入れますか?
A.できません。日本では 20 歳未満の人は、喫煙を目的としない場合でも喫煙エリアへ一切立ち入ることができないとされています(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/)。これは客にも従業員にも適用されます。
