台湾と日本で違う喫煙ルール 7 つ【2026】室内の例外・屋外・加熱式の扱い
目次
はじめに:本記事の前提と免責
本記事は、日本側は厚生労働省「なくそう!望まない受動喫煙。」(https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/)、台湾側は全國法規資料庫の菸害防制法(https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=L0070021)および衛生福利部の公表資料(https://www.mohw.gov.tw/cp-16-75197-1.html)を一次情報源として、2026 年 8 月時点の制度を整理したものです。双方の制度はいずれも受動喫煙を防ぐという同じ趣旨で設計されており、本記事はどちらかを優劣で評価するものではありません。個別の店舗・施設の喫煙可否を判断するものでもなく、最新の内容は必ず公式情報でご確認ください。本記事は日本国内での過ごし方を扱うもので、日本で購入した製品を台湾へ持ち帰る際の可否については扱いません。持ち帰りに関する規定は衛生福利部および台湾の税関の公式情報をご確認ください。20 歳未満の喫煙は法律で禁じられています。本記事は喫煙を推奨するものではありません。
違い 1:室内の「例外」の作り方が違う
台湾の菸害防制法 第 18 條第 1 項は 13 の類型を全面禁菸としており、その第 11 款が「旅館、商場、飲食店、酒吧、夜店或其他供公眾消費之室內場所」です。ただし但書で「於該場所內設有獨立空調及獨立隔間之室內吸菸室或雪茄館,不在此限」とされ、独立した空調と独立した仕切りを備えた室内吸菸室、または雪茄館(シガーバー)は対象外になります(出典: 全國法規資料庫)。
日本にも喫煙専用室という「別室型」の仕組みはありますが、それに加えて経過措置の喫煙可能室があります。喫煙可能室は 2020 年 4 月 1 日時点で既に営業していた小規模な飲食店(既存特定飲食提供施設)に限られる一方、施設の全部または一部に設けることができます(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/smoking_room/)。この「店全体が喫煙可能」という形が残っている点が、台湾から来た人がいちばん驚きやすい違いです。
違い 2:喫煙室で飲食できるかどうかが種類で決まる
- 喫煙専用室:喫煙のみ可能で、飲食はできません
- 加熱式たばこ専用喫煙室:加熱式たばこのみ可能で、飲食もできます(経過措置)
- 喫煙可能室:紙巻たばこを含む喫煙と飲食が可能。既存特定飲食提供施設に限った経過措置です
- 喫煙目的室:喫煙を主目的とする施設に限られ、主食を除く飲食が可能です
- 4 種類すべてで 20 歳未満は立入禁止。喫煙設備を持つ施設には指定された標識の掲示義務があります
日本では、この 4 種類のどれにあたるかで「吸えるたばこの種類」と「飲食の可否」が変わります(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/smoking_room/)。入口の標識にどの類型が書かれているかを確認する習慣をつけると、店内で戸惑いにくくなります。
違い 3:屋外ルールを決めているのが法律か条例か
台湾では菸害防制法 第 19 條第 1 項が、図書館・博物館・美術館などの文化・社会教育機関の室外場所、室外体育場・プールなど公衆の休閒娯楽用の室外場所、老人福利機構の室外場所について、「吸菸區以外不得吸菸。未設吸菸區者,全面禁止吸菸」と定めています(出典: 全國法規資料庫)。対象が法律のレベルで列挙されているのが特徴です。
日本には全国一律の路上喫煙禁止法はなく、市区町村ごとの条例で禁止区域が定められます。禁止区域の範囲、違反時の過料の金額、巡回指導の有無は自治体ごとに異なるため、移動先ごとに確認するのが確実です。自治体別の整理は 自治体別の路上喫煙と過料のまとめ にあります。実際に吸える場所は モットスイタイの喫煙所マップ で現在地の近くの指定喫煙所を確認できます。
違い 4:電子たばこ(類菸品)の扱い
台湾の菸害防制法 第 15 條は、類菸品やその組合元件について製造・輸入・販賣・供應・展示・廣告を禁じ、さらに第 2 項で「任何人不得使用類菸品」と使用そのものを禁じています。違反すると最高 新臺幣 1 萬元の罰鍰が定められています(出典: 全國法規資料庫、衛生福利部 https://www.mohw.gov.tw/cp-16-75197-1.html)。日本側の電子たばこの位置づけはこれとは別の法体系で整理されているため、詳しくは VAPE・電子たばこの日本でのルール をご覧ください。日本で見かける製品が、そのまま台湾で使えるとは限らない点にご注意ください。
違い 5:加熱式たばこ(指定菸品)の審査制度
台湾では、指定菸品(加熱式たばこを含む)は衛生福利部の健康風險評估審查を通過し核定されたものでなければ製造・輸入・販賣ができず、核定を通過していない指定菸品は使用も禁じられています(菸害防制法 第 15 條。出典: 全國法規資料庫)。審査の進捗状況は衛生福利部が公表しており、複数の事業者・品項について審査が進められています(出典: 衛生福利部 https://www.mohw.gov.tw/cp-16-83217-1.html)。どの製品が現時点で核定済みかは変動するため、必ず衛生福利部の最新の公表内容をご確認ください。
日本側では、加熱式たばこについて「加熱式たばこ専用喫煙室」という類型が経過措置として設けられており、その中では飲食もできます(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/smoking_room/)。紙巻たばこ用の喫煙専用室とは扱いが分かれているため、標識をよく見ないと入る部屋を間違えます。デバイス別の考え方は 加熱式たばこの日本でのルール にまとめています。
違い 6:違反したときの枠組みと金額の単位
台湾では、第 18 條第 1 項の場所または第 19 條第 1 項で吸菸できない場所で吸菸した場合、新臺幣 2,000 元以上 1 萬元以下の罰鍰が定められています(菸害防制法 第 40 條。出典: 全國法規資料庫)。日本では、喫煙禁止場所での喫煙に 30 万円以下の過料、施設の管理権原者が喫煙器具・設備の撤去、喫煙室の基準適合、標識の掲示といった義務に違反した場合に 50 万円以下の過料が定められています(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/point/)。これとは別に、路上喫煙禁止区域での違反には自治体条例に基づく過料が科される場合があり、金額は自治体ごとに異なります。
違い 7:年齢と立ち入りの考え方
台湾では菸害防制法 第 16 條が「未滿二十歲之人及孕婦,不得吸菸」と定めています(出典: 全國法規資料庫)。日本でも 20 歳未満の喫煙は「二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律」により禁じられています(出典: e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/)。日本で特に注意したいのは、20 歳未満は喫煙を目的としない場合であっても喫煙エリアへ一切立ち入れないという点です(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/)。これは客だけでなく従業員にも適用されるため、家族連れで喫煙室のある店を使う場合は同行者の年齢に注意してください。
日本滞在中に困らないための実践ポイント
- 屋内は「原則禁煙、標識があれば例外」と覚える。標識のない店内では吸わない
- 「喫煙可能」の標識がある店は経過措置による例外であり、すべての飲食店で吸えるわけではない
- 「加熱式たばこ専用」の表示がある部屋に紙巻たばこを持ち込まない
- 路上は市区町村ごとにルールが異なる。滞在先の条例と指定喫煙所の位置を事前に確認する
- 学校・病院・行政機関などの第一種施設は敷地内禁煙で、屋外にも喫煙室を設けられません
- 携帯灰皿を持ち歩き、吸い殻は必ず持ち帰るか灰皿へ入れる
おわりに:例外の置き場所が違うだけ
台湾も日本も、受動喫煙を防ぐという目的は同じです。違うのは例外の置き場所で、台湾は「独立空調の吸菸室」という別室に、日本は「店の全部または一部を喫煙可能にできる経過措置」に例外を置きました。日本側の全体像は 改正健康増進法の解説、飲食店での見分け方は 居酒屋の喫煙事情 に、標識の読み方は 喫煙所の標識・ピクトグラムの読み方 にまとめています。他の国との比較は 韓国との違い、中国との違い、タイとの違い もご覧ください。
台湾から来日した喫煙者が日本のルールに合わせる 5 ステップ
出発前の確認から、店頭の標識の読み方、屋外での探し方までを順番に整理した手順です。
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ステップ 1
「屋内は原則禁煙」を前提にする
日本では多数の利用者がいる施設の屋内は原則禁煙です(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/)。標識が出ていない店内では吸わない、を出発点にすると判断が安定します。
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ステップ 2
入口の標識で喫煙室の類型を確認する
喫煙専用室・加熱式たばこ専用喫煙室・喫煙可能室・喫煙目的室で、吸えるたばこの種類と飲食の可否が変わります。自分のデバイスが対象かどうかを標識で確認します。
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ステップ 3
滞在する市区町村の路上ルールを調べる
路上喫煙の規制は自治体条例で決まり、禁止区域も過料の金額も異なります。訪問先の市区町村公式サイトで禁止区域と指定喫煙所の位置を確認しておきます。
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ステップ 4
移動ルート上の指定喫煙所を地図で押さえる
駅前・商業施設・公園などの指定喫煙所を、移動ルートに沿って事前に確認します。歩きながら探し始めると、禁止区域で立ち止まってしまいやすくなります。
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ステップ 5
持ち帰りの規定は帰国前に台湾側で確認する
日本で購入した製品を台湾へ持ち込めるかどうかは、日本国内のルールとは別の問題です。指定菸品や類菸品の扱いを含め、帰国前に衛生福利部と台湾の税関の公式情報をご確認ください。
よくある質問
Q.台湾では飲食店に吸菸室がないと吸えないのに、なぜ日本には店全体が喫煙可能な店があるのですか?
A.日本の改正健康増進法には、2020 年 4 月 1 日時点で既に営業していた小規模な飲食店(既存特定飲食提供施設)に限った経過措置があり、要件を満たせば施設の全部または一部を喫煙可能室にできます(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/smoking_room/)。すべての飲食店が該当するわけではないため、店頭の標識でご確認ください。
Q.日本で電子たばこは自由に使えますか?
A.台湾の菸害防制法 第 15 條は類菸品の使用そのものを禁じており、違反には最高 新臺幣 1 萬元の罰鍰が定められています(出典: 衛生福利部 https://www.mohw.gov.tw/cp-16-75197-1.html)。日本側は別の法体系で整理されているため、当サイトの VAPE・電子たばこの記事をご確認ください。日本で見かける製品がそのまま台湾で使えるとは限りません。
Q.日本の路上ではどこでも吸えますか?
A.いいえ。日本には全国一律の路上喫煙禁止法はありませんが、多くの市区町村が条例で禁止区域を定め、違反者に過料を科す場合があります。禁止区域も金額も自治体ごとに異なるため、お出かけ前に各自治体の公式情報をご確認ください。
Q.日本の喫煙室では飲み物を飲めますか?
A.種類によります。喫煙専用室は飲食できません。加熱式たばこ専用喫煙室と喫煙可能室は飲食が可能で、喫煙目的室は主食を除く飲食が可能とされています(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/smoking_room/)。
Q.20 歳未満の家族を喫煙室に連れて入れますか?
A.できません。日本では 20 歳未満の人は喫煙を目的としない場合でも喫煙エリアへ一切立ち入れないとされており、客にも従業員にも適用されます(出典: 厚生労働省 https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/)。台湾でも菸害防制法 第 16 條が未滿二十歲の吸菸を禁じています。
